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顎関節症とは?知っておきたい基礎知識と治療法
こんにちは。吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」です。
口を開けるときに音が鳴る、あごが痛くて食事がしにくい、口が大きく開かないといった症状でお悩みではありませんか。これらは顎関節症の代表的な症状です。
顎関節症は、軽度なものを含めると成人の約7割が経験するといわれています。ストレスや食生活・生活習慣の変化により、顎関節症で悩む方は増加しています。
本記事では、顎関節症の基本的な知識と効果的な治療法について解説します。早期発見・早期治療が重要な疾患ですので、気になる症状がある方はぜひ参考にしてみてください。
顎関節症とは
顎関節症は、口を開け閉めする際に重要な役割を果たす顎関節に生じる異常の総称です。顎関節は、下顎骨と側頭骨を結ぶ部分に位置しており、食事や会話など日常生活に欠かせない動作に深く関わっています。
現代社会でのストレスの影響や食生活の変化により、最近では顎関節症を患う方が増加しています。特に20〜40代の女性に多く見られる傾向があり、日常生活に支障が出る深刻な問題となっている方も少なくありません。
どのような症状が現れる?
顎関節症の代表的な症状として、以下が挙げられます。
関節の痛みや違和感
あごを動かした際に痛みを感じたり、重苦しい感覚を覚えることがあります。硬いものを噛んだり、大きく口を開けたりする動作で症状が強く出る傾向にあります。
開口障害
口を十分に開けることができない状態です。正常な状態では人差し指から薬指まで3本の指を縦にして口に入れることができますが、顎関節症では2本程度しか入らないケースも珍しくありません。
関節音の発生
口を開け閉めしてあごを動かすと、カクカク・ガリガリといった音が聞こえることがあります。この音は、関節内の軟骨や靭帯の異常によって生じます。
顎関節症の原因
顎関節症の発症には複数の要因が複雑に絡み合っており、1つの原因だけで起こることはまれです。具体的には、以下の原因が重なり合うことで症状が現れると考えられています。
歯ぎしりや食いしばり
就寝中の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりは、顎関節に過度な負担をかけます。歯ぎしりは睡眠の質を低下させるだけでなく、関節軟骨の摩耗や筋肉の疲労を引き起こし、顎関節症の直接的な原因となることが多いのです。
ストレスなどで精神的な緊張状態が続くと、無意識のうちに歯を食いしばったり、顎周辺の筋肉が緊張したりします。職場での責任やプレッシャー、人間関係の悩みなどが蓄積されると、身体的な緊張として現れるため注意が必要です。
慢性的にストレス状態が続くと、顎関節症のリスクが高まります。
姿勢が悪い
デスクワークが中心の現代では、長時間のパソコン作業により首や肩の筋肉が緊張し、顎関節にも影響を与えます。前かがみの姿勢や頬杖をつく癖などは、あごの位置が不自然な状態になるため、関節への負担が増大します。
食習慣の変化
硬い物を噛むと顎関節に負担がかかります。普段からスルメやせんべいなど硬い食べ物を好んで食べていると、過度な負担がかかるため顎関節症になるリスクが高まります。
なお、ガムを長時間噛み続けることも、負担がかかるため注意が必要です。
噛み合わせが悪い
上下の歯が正しく噛み合わない状態では、顎関節が本来とは異なる動きを強いられます。もともと、噛み合わせが悪い方は顎関節症のリスクが高いと言えるでしょう。
また、虫歯治療後の詰め物や被せ物の高さが適切でない場合、噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節症を引き起こすことがあります。
歯の欠損や位置異常
歯を失ったまま放置していたり、歯並びに問題があったりすると、残った歯に過度な負担がかかります。適切な位置で噛むことができないと、あごの動きが不安定になりかねません。結果として、顎関節へ負担がかかり影響が出ます。
外傷や先天的要因
交通事故やスポーツでの怪我により顎を強打した経験がある方は、後に顎関節症を発症するリスクが高くなります。また、生まれつき顎関節の形状に特徴がある場合や、関節の可動域に制限がある場合も、症状が現れやすいです。
顎関節症は何科を受診すればよい?
顎関節症の症状でお悩みの方が最初に迷われるのが、どの診療科を受診すべきなのかという点です。結論から述べると、歯科や口腔外科の受診が適切でしょう。
あごに違和感や痛みなどが生じた場合、歯科・口腔外科が第一選択となります。顎関節症は口腔周辺の疾患であり、歯科医師が最も専門的な知識と経験を持っているためです。
口腔外科では、顎関節に関する詳しい検査や治療をおこなうことができます。整形外科や内科も対応することはできますが、顎関節症の専門的な治療は難しく、最終的には歯科や口腔外科への紹介となるケースがほとんどです。
顎関節症の治療法
顎関節症の治療は、症状の程度や原因によってさまざまなアプローチがあります。軽度なものから重度なものまで、段階的に治療法を選択していくのが一般的です。
顎関節症治療では、単一の治療法ではなく複数の治療を組み合わせるケースも珍しくありません。一人ひとりの症状や生活習慣・心理的要因を総合的に評価し、治療プランを考える必要があります。
以下に、顎関節症の代表的な治療法を紹介します。
生活指導・セルフケア
顎関節に悪影響を与える習慣や習癖がある場合、改善することが治療の基本です。硬い食べ物を避ける、大きく口を開けない、頬杖をつかないなど、顎関節に負担がかかる習慣を意識して避けるようにします。
また、ストレス管理も重要な要素です。現代社会では精神的ストレスが顎関節症の大きな原因となっているため、リラックス法や適度な運動を取り入れてストレスを発散するようします。
薬物療法
痛みが強く出ているケースでは、痛みや炎症を抑えるために消炎鎮痛剤を使用します。また、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤や、就寝時の歯ぎしりを軽減する抗不安薬を処方する場合もあるでしょう。
服薬は症状に応じて適切に選択し、必要最小限の期間で使用することが大切です。
顎関節のマッサージ・開口訓練
あご周辺の筋肉をマッサージでほぐします。咬筋・側頭筋・内側翼突筋などの緊張を緩和することで、痛みの軽減と口の開閉をスムーズにすることが可能です。
また、口の開閉が困難なケースでは、開口訓練をおこないます。無理のない範囲で少しずつ口の開く幅を広げていく訓練で、関節の可動域を改善するケースもあります。
マッサージや開口訓練は自宅でもできるため、歯科医院で指導を受けて自宅で取り組んでもらうことが一般的です。
マウスピース治療
ナイトガードと呼ばれるマウスピースを就寝時に装着する治療法です。歯ぎしりや食いしばりから顎関節を保護し、筋肉の緊張を緩和します。
とくに、就寝中の歯ぎしりは無意識におこなわれているため、顎関節に大きな負担がかかります。ナイトガードを着用することで、顎関節への負担を減らせるでしょう。
なお、ナイトガードは一人ひとりの歯型に合わせてオーダーメイドで作製するため、違和感が少なく高い効果が得られます。
咬み合わせの調整・歯列矯正
詰め物や被せ物が合っていないことが原因で顎関節に負担がかかっているケースでは、噛み合わせの調整をします。詰め物や被せ物の高さを修正したり、噛み合わせの歯を削って適切な噛み合わせになるようにします。
また、根本的な咬み合わせの問題がある場合は、歯列矯正によって改善を図ります。治療期間は長くなりますが、顎関節症の原因を根本から改善できます。
まとめ
顎関節症は、適切な診断と治療により改善が期待できる疾患です。症状でお悩みの方は、歯科・口腔外科を受診してみましょう。
治療法は幅広い選択肢がありますが、多くの場合は生活指導や薬物療法、マウスピース療法などの治療法で十分な効果が得られるでしょう。症状を我慢せずに早期に相談しましょう。
あごの痛みや違和感でお困りの際は、一人で悩まずに歯科医院を受診して確認してもらってください。適切な治療により、快適な日常生活を取り戻すことが十分可能です。
顎関節症の治療を検討されている方は、吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様を家族のように大切に思い、安心を第一に治療を提供しています。一般歯科だけでなく、矯正治療やインプラント治療などにも力を入れています。
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