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インプラント治療の即時埋入法とは?治療の流れやメリット・デメリットについて解説
虫歯や歯周病で歯を抜かざるを得なくなった場合、その後の処置としてインプラント治療が選択されることがあります。
インプラント治療には、抜歯後の歯ぐきがきれいに治ってからおこなう「抜歯待時埋入法」と、抜歯直後にインプラント体を埋入する「抜歯即時埋入法」の2つが存在し、患者様のお口の状態に合わせてどちらが適切かを判断します。
こちらの記事では、即時埋入法の流れや特徴、メリットとデメリットについて分かりやすくまとめました。インプラント治療をご検討中の方はぜひご参考にしてください。
即時埋入法の流れ
従来の方法と大きく異なる点として「治療の流れ」が挙げられます。治療を落ち着いて受けるためにも、しっかりと把握しておきましょう。
即時埋入法の流れは以下のとおりです。
STEP1:カウンセリング・検査
問診票を書いていただき、そのデータをもとにカウンセリングをおこないます。インプラントの特徴や手術の流れ、だいたいの期間や費用をご説明しますが、分からないことや気になることがあれば遠慮なくお伝えください。
カウンセリングが終わったら、お口の状態を正確に把握するための検査をおこないます。検査結果をもとにインプラントを直立する適切な位置や深さ、角度などを決めていきます。
STEP2:治療・クリーニング
前回の検査で虫歯や歯周病といった問題が見つかった場合は、そちらの治療を優先しておこないます。問題がなければインプラント治療後の歯ぐきの治りが悪くならないよう、事前にクリーニングをして清潔な状態にします。
虫歯や歯周病によって顎骨が少なくなっている場合は、骨の量を増やす「骨造成手術」が別で必要です。
STEP3:抜歯とインプラント埋入手術
麻酔をし、対象の歯を抜いてインプラント体を埋入します。そのあと、歯ぐきを縫合して終了です。
追加の麻酔や歯ぐきの切開などが必要ないため、従来の方法よりも早く終わります。
STEP4:最終的な被せ物を入れる
周囲の歯とのバランスをみて最終的な被せ物の色を決めます。
被せ物ができたらセットして完成です。
STEP5:メインテナンス
インプラントをできるだけ長く使っていただくためにも、手術後は定期的なメインテナンスをおすすめしています。ほかの歯のトラブルにも早く気づくことができ、クリーニングで清潔なお口を維持することが可能です。忘れずにお受けください。
治療期間を短縮できる?
従来の抜歯待時埋入法では、抜歯をしてから歯ぐきが治るまでに2か月ほどの期間が必要で、そのあとにインプラントの1次手術をし、さらに3か月ほど待って2次手術をして、最終的な被せ物を入れるという流れでした。トータルでみると7か月ほどかかり、麻酔は3回することになります。
即時埋入法では、抜歯をしてできた穴にそのままインプラント体を埋入でき、2次手術までを1日ですすめられるので、治療期間はトータルでみると3〜4か月です。通院回数が少なく、麻酔も抜歯時の1回で済むため、患者様のお体への負担も大幅に軽減できます。
即時埋入のメリットとデメリットは?
納得のいく治療にするには、メリットだけでなくデメリットについても正しく把握しておく必要があります。
即時埋入法のメリット
○埋入後に痛みや腫れがでにくい
抜歯から埋入までをスピーディーに行えるため、痛みや腫れがでにくい傾向にあります。忙しい方や接客業の方には大きなメリットといえるでしょう。
○身体的・精神的負担が少ない
手術が1回で終わるため、身体的な負担が従来の抜歯待時埋入法よりも少なめです。また、歯がない期間が短いことから、見た目への影響がほとんどありません。
○通常の半分の治療期間で済む
何度も手術をする必要がなく、治療期間が3〜4か月と短めです。噛む機能が早く回復するため、食事のストレスも少なく済みます。
即時埋入法のデメリット
○高度な知識や技術が求められる
一気にすすめる即時埋入法は、歯ぐきの状態が落ち着いてから次の段階へ進む抜歯待時埋入法よりも高度な知識や技術が求められます。対応していない歯科医院も少なくありません。
○対応できるインプラントメーカーが限られている
手術のやり方によって適切なインプラントメーカーが異なり、即時埋入法の場合は対応できるメーカーが少なめです。転勤や引っ越しの予定がある場合は、あまりおすすめできません。
まとめ
インプラント治療の即時埋入法は、治療時間を従来の抜歯待時埋入法の約半分に短縮でき、手術や麻酔が基本的に1回で済むため、患者様の体への負担が少ないのが特徴です。
しかし、すべての歯科医院で受けられるものではなく、インプラントメーカーによっても対応できない場合があることから、事前の確認が必要不可欠といえるでしょう。
また、顎骨の状態によっても選択できる手術方法が異なります。
適切な方法を決定するにはパノラマや歯科用CTなど精密検査が必要ですので、気になる方はぜひ設備が整っている当院までご連絡ください。