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急速拡大装置とは?メリット・デメリット、治療期間・費用を徹底解説!
こんにちは。吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」です。
歯列矯正と聞くと、多くの方がワイヤーで歯を整える治療を思い浮かべるかもしれませんが、実は矯正治療にはいくつかの種類があります。その中でも、特に成長期の子どもに対する治療法として注目されているのが急速拡大装置です。
これは上顎の幅を広げるために使用される矯正装置で、歯並びの乱れだけではなく、噛み合わせや呼吸の問題の改善にもつながる可能性があります。
この記事では、急速拡大装置のメリットやデメリット、治療期間、費用、使用時の注意点までを徹底的に解説します。急速拡大装置がどのような役割を果たしているのかを知ることで、矯正治療を考える上での判断材料となるでしょう。
歯科矯正に興味がある方や、お子さまの歯並びに悩んでいる保護者の方にとって、有益な情報をお届けします。
急速拡大装置とは
急速拡大装置とは、子どもの上顎の幅を短期間で広げるのに使用される矯正装置の一種です。特に、上顎骨(じょうがくこつ)と呼ばれる上顎の骨が狭く、歯並びや噛み合わせに問題があるケースで使われます。
装置は固定式で、上顎の奥歯に金属製のバンドを装着し、中央にネジのついた装置を取り付けることで上顎を左右に少しずつ拡げていきます。
急速拡大装置は、ネジを定期的に回すことで上顎の骨と骨の間に力を加えて顎の骨を広げる仕組みになっています。歯科医師の指導のもと、3か月~6か月ほど装着します。短期間で効果が現れやすい点が特徴です。
また、適応年齢についても重要なポイントです。急速拡大装置の効果がもっとも出やすいのは、上顎の骨がまだ柔らかく成長途中にある小学生から中学生ごろ(6歳~12歳)の年齢です。
それ以降の年齢では骨の成長が終わっているため、効果が限定的になるか、外科的処置が必要になる場合があります。歯列や顎の発育に不安がある場合は、できるだけ早く矯正歯科に相談することが推奨されます。
急速拡大装置のメリット
急速拡大装置は、短期間で顎の幅を広げられるという点において、他の矯正治療と比べて大きな特徴を持っています。特に成長期の子どもにおいては、将来的な矯正の必要性を減らせる可能性もあるため、早期の導入が勧められることがあります。
ここでは、急速拡大装置の具体的なメリットをいくつか紹介していきます。
歯並びや噛み合わせの改善が期待できる
上顎が狭いままだと歯が正しく並ぶスペースが足りず、前歯が重なったり八重歯が出たりといった問題が生じます。急速拡大装置を使って顎の幅を広げることで、歯が自然に並ぶスペースを確保でき、将来的な矯正の負担を軽減できます。
また、上下の顎のバランスが整うことで、噛み合わせの不正(交叉咬合や開咬など)も改善される可能性があります。
鼻呼吸の改善やいびき対策にも効果がある
上顎の幅が狭いと、鼻腔のスペースも狭くなることがあります。急速拡大装置によって上顎が広がると、鼻腔が広がり鼻呼吸がしやすくなるケースがあります。これにより、口呼吸の習慣が改善され、いびきの軽減や睡眠の質の向上も期待できます。
特に、子どもにおいては、呼吸の質が成長や集中力に影響を与えることがあるため、早期の対応が重要です。
外科手術を回避できる可能性がある
大人になってから上顎の拡大が必要になった場合、骨の成長がすでに終了しているため、矯正だけでは不十分で外科的な手術が必要になることがあります。
しかし、成長期のうちに急速拡大装置を使って顎の発育を正しく導くことで、将来的に手術を回避できる可能性があります。子ども本人だけでなく、保護者にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
急速拡大装置のデメリット
急速拡大装置には多くの利点がある一方で、注意しておくべきデメリットや課題も存在します。治療の成功には、患者さま本人の協力や医師の的確な診断が欠かせません。
治療を始める前にこうしたデメリットをしっかりと理解しておくことで、後悔のない矯正治療にできるでしょう。以下に、急速拡大装置の代表的なデメリットを項目ごとに解説します。
違和感や痛みが出る
急速拡大装置は口の中に常に固定されるため、装着初期には異物感や違和感を覚える方が多いです。特に、ネジを回して拡大する際には、上顎に圧力がかかるため、頭痛や歯の浮いたような痛みを訴えることもあります。
ただし、これらの症状は数日から1週間程度で徐々に慣れていくことが多いとされています。
発音や食事がしにくくなることがある
装置が口蓋部分に取り付けられるため、発音が不明瞭になったり、特定の音が出しにくくなったりすることがあります。また、食べ物が装置に引っかかりやすくなるため、食事中の不快感や、食後のケアに手間がかかる点もデメリットの一つです。
特に、子どもの場合、学校生活での会話や給食に影響を与えることもあるため、家族のサポートが求められます。
メンテナンスや清掃が必要
急速拡大装置は固定式なため、口腔内の清掃が難しくなります。食べかすや汚れが口の中に残っていると、虫歯や歯肉炎になるリスクが高まります。そのため、専用の歯ブラシやうがい薬などを使用し、日々のメンテナンスを怠らないことが重要です。
成長期を過ぎると適応が難しくなる
急速拡大装置は、上顎の骨が柔らかく可動性のある成長期に特に効果を発揮します。そのため、成長が終了した12歳以降の方には適応できない場合も多く、適応できたとしても効果が限定的になることがあります。
年齢によっては外科的処置を併用しなければならない場合もあるため、治療開始のタイミングは非常に重要です。
急速拡大装置の治療期間と費用
急速拡大装置を検討するうえで、多くの方が気になるのが治療期間と費用ではないでしょうか。子どもの治療となると、保護者にとっては経済的な負担やスケジュール調整も重要な要素となります。
ここでは、治療にかかる期間や費用について、わかりやすく解説します。
急速拡大装置の治療期間
急速拡大装置の使用期間は、一般的に約3〜6ヶ月程度とされています。最初の2〜3週間で急速に上顎を広げ、その後はその状態を安定させる保定期間に入ります。保定が不十分だと、元に戻る可能性があるため、固定状態をしっかり維持することが重要です。
治療期間には個人差があるものの、他の治療法と比べると短期間で効果が出る治療法だといえるでしょう。
急速拡大装置の費用
急速拡大装置の費用は、治療を受ける歯科医院や地域によって差がありますが、おおむね10万円から30万円が相場です。装置代や診断、検査、調整料などが含まれてこの価格帯になるケースが多いです。
全体の矯正治療の一部として組み込まれることもあるため、総額としてはさらに費用がかかる可能性もあります。また、自由診療であるため健康保険は適用されず、医療費控除の対象になるかどうかは確認が必要です。
急速拡大装置使用時の注意点
急速拡大装置は効果的な矯正治療法ですが、その効果を最大限に引き出すためには、日常生活の中でいくつかの注意点を守る必要があります。装置の構造上、食事や清掃、装置の操作などにおいて不便さを感じることも少なくありません。
ここでは、治療中によくあるトラブルや、装置使用時に意識しておきたいポイントについて解説します。
食事の際はやわらかい物を選ぶ
装置を装着している間は、食事による不快感を覚えやすくなります。特に、硬い物や粘着性の高い食品は装置に引っかかりやすく、装置の破損や歯茎への負担の原因となることもあります。ナッツ類やガム、キャラメルなどは避けたほうがよいでしょう。
おかゆやスープ、やわらかい野菜などを中心に取り入れると、負担を軽減できます。
口腔ケアを徹底する
急速拡大装置は固定式のため、食べかすがたまりやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高くなります。装置の隙間までしっかりと磨けるよう、専用の歯ブラシやデンタルフロス、うがい薬を使用することが推奨されます。
また、保護者が仕上げ磨きをするなどのサポートも重要です。定期的な歯科医院でのクリーニングも忘れずに行いましょう。
ネジの調整は医師の指示通りに行う
急速拡大装置は、中央のネジを回すことで少しずつ顎を広げていく構造になっています。調整の頻度や方法は医師からの指示がありますが、これを自己判断で行ったり忘れたりすると治療効果に大きく影響します。
ネジを回すタイミングは毎日決まった時間にするなど、習慣化することが望ましいです。また、ネジを回す際に強い痛みが続く場合は、無理に続けずすぐに歯科医師に相談しましょう。
装置の異常はすぐに報告する
万が一装置が外れたり変形したりした場合は、すぐに歯科医院へ連絡し、早急に対応してもらうことが大切です。放置すると効果が失われるだけでなく、口腔内を傷つける可能性もあります。
また、装置の使用中に気になる症状が現れた際は、我慢せずに医師へ相談することで、安全で確実な治療が継続できます。
まとめ
急速拡大装置は、成長期の子どもを中心に使用される矯正装置であり、短期間で上顎の幅を広げることができる治療法です。歯並びや噛み合わせの改善だけではなく、呼吸機能の向上や将来的な外科手術の回避といったメリットも期待できます。
一方で、使用中の違和感や発音・食事への影響などのデメリットもあるため、正しい知識とサポート体制が欠かせません。治療の効果を最大限に引き出すためには、医師の指示に従い、適切な時期に治療を開始することが重要です。
急速拡大装置による治療を検討されている方は、吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様を家族のように大切に思い、安心を第一に治療を提供しています。一般歯科だけでなく、矯正治療やインプラント治療などにも力を入れています。
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