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フッ素はいつから始めるべき?適切なタイミングや頻度を解説!
虫歯予防にフッ素が効果的であることは、皆さんもよくご存知ですよね。成人の方であれば、毎日フッ素入りの歯磨き粉を使っているでしょうし、歯科医院でのフッ素塗布を定期的に受けているかもしれません。ただ、子どもの場合は、フッ素が成長にどのような影響をもたらすかわからないので、いつから始めるべきか悩んでいる方も多いことかと思います。そこで今回は、子どもがフッ素を使い始めるタイミングや使用する適切な頻度などをわかりやすく解説します。
子どもの歯にはフッ素が効果的?
子どもの歯は未成熟でやわらかい
子どもの歯である乳歯は、大人の歯よりも未成熟でやわらかいです。それは歯の石灰化が十分に進んでいないからです。さらに乳歯は、エナメル質と象牙質の厚みが永久歯の半分程度しかないことから、虫歯になりやすいだけでなく、重症化するのも早い点に注意が必要です。それだけにフッ素による歯質の強化が永久歯以上に必要となりやすいのです。
フッ素の役割とは?
フッ素は、エナメル質を成熟させる石灰化現象を促す作用が期待できます。同時に、エナメル質をフルオロアパタイトという特別な構造に作り変えることで、酸性の刺激への抵抗力を高められます。さらにフッ素は虫歯菌の働きを弱めることもできるため、虫歯の発症リスクを大きく下げられるのです。
フッ素塗布はいつから始めればいいの?
1歳半くらいから始めましょう

歯科医院の「フッ素塗布」は、高濃度のフッ素ジェルを使用することから、市販の歯磨き粉以上の虫歯予防効果が期待できます。そんなフッ素塗布は、1歳半くらいから始めるのが良いでしょう。最初の乳歯が生えてくるのが生後8か月くらいで、1歳半にもなると上下の前歯8本が生えそろってくるため、フッ素塗布も効果的に施術できます。1歳半というと「早すぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、その時点でもう虫歯になるリスクは生じているため、決して早すぎるということはありません。
フッ素塗布は安全?
フッ素は、自然界にも存在するミネラルの一種であり、基本的には安全ですが、過剰に摂取すると急性中毒を起こす場合があります。ただ、フッ素塗布というのは、フッ化物が配合されたジェルを歯の表面に塗るだけの処置なので、体の中に摂り込むわけではありません。また、歯科医院のフッ素塗布は歯科医師や歯科衛生士といった専門家が細心の注意を払いながら行う処置であることから、小さなお子様でも健康被害が生じるリスクは限りなくゼロに近いといえます。
いつまで続けるべきか?
フッ素塗布は、基本的に一生涯続けても良い予防処置ではありますが、14~15歳くらいをひとつの目途にしても良いでしょう。親知らずを除く永久歯28本は、12~13歳で生えそろいますが、萌出からしばらくは乳歯と同様、未成熟な状態が続くため、中学校が終わるくらいまではフッ素塗布を継続したいものです。
フッ素塗布の頻度とタイミングは?
フッ素塗布の頻度とタイミングは、歯科医院の施術と市販品とで少し異なります。
歯科医院のフッ素塗布
歯科医院のフッ素塗布では、フッ化物の濃度が9,000ppmのジェルを使うことから、市販品よりも虫歯予防効果が高くなっています。そのため3~6か月に1回くらいの頻度で施術を受けても十分な結果が期待できることでしょう。自治体によっては、子どものフッ素塗布に対して、補助金制度を設けているところもありますので、次に歯医者を受診した際に確認してみてください。歯科医院でのフッ素塗布は、定期検診のタイミングで受けると良いです。
市販のフッ素ジェル

市販のフッ素ジェルやフッ素入り歯磨き粉は、フッ化物の濃度が1,500ppm以下に調整されているため、歯科医院のフッ素塗布ほど高い効果は期待できません。ですから、1日に1回から複数回使用すると良いです。市販のフッ素ジェルを使用するタイミングは、歯磨きを行った後がベターです。なぜなら歯の表面に食べかすや歯垢が付着していると、フッ素の作用が妨げられてしまうからです。歯科医院でのフッ素塗布で、直前に歯のクリーニングを行うのはそのためです。もちろん、フッ素入りの歯磨き粉に関しては、歯磨きと同時にフッ素も作用させることができるので、タイミングを気にする必要はありません。あえて注意点を挙げるとしたら、ブラッシング後に過剰なうがいをするのはやめましょう。フッ素の成分がある程度、歯面に残っていた方が歯の再石灰化作用や虫歯菌の活動を抑制する作用も現れやすくなるからです。
まとめ
今回は、フッ素を使い始めるタイミングや頻度について解説しました。子どものフッ素塗布は、乳歯の前歯が生えそろう1歳半くらいから始めて、永久歯列が完成する時期まで継続すると良いです。歯科医院でのフッ素塗布は3~6か月に1回、市販のフッ素ジェルは毎日使用することで、適切な効果が得られることでしょう。そんな子どものフッ素塗布についてもっと詳しく知りたいという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。