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子供の歯列矯正で後悔する理由とは

子供の歯並びの治療である小児矯正では、次のような理由から「やらなきゃよかった」と後悔することがあります。

理由1：治療期間が長かった

矯正治療は、基本的に長い期間を要します。それは子供の矯正治療も例外ではありません。子供の骨格や歯並びの状態、生活習慣などによっては、当初、予定していたスケジュールでは治療が終わらず、長引く場合もあります。そうしたケースでは、やらなきゃよかったと後悔しやすいです。

理由2：必要のない抜歯を行った

スペースの不足が認められるケースでは、抜歯が必要となりやすいです。ただ、歯科医師の診断に誤りがあると、不適切な抜歯を行ってしまうことがあるのです。本来は抜く必要がなかった歯を抜歯することになるため、患者様も当然ですが後悔します。

理由3：拡大床の使用が不適切だった

小児矯正では、歯列を側方に広げる拡大床（かくだいしょう）という装置をよく使用します。この装置の適応や使用方法を誤ると、歯列を過剰に広げてしまったり、かえって歯並びが悪くなったりするため十分な注意が必要です。

理由4：歯の後戻りが起こった

矯正治療できれいに並べた歯が元の位置へと戻ってしまう現象を「後戻り」といいます。これは小児矯正に限らず、すべての矯正治療で起こり得るトラブルなのですが、子供の場合は大人よりもそのリスクが高いといえるでしょう。なぜなら後戻りを防止するためのリテーナーを自己管理できなかったり、後戻りを誘発する口腔習癖が残りやすかったりするからです。とくに保定（ほてい）に関しては、最後まできちんとやり遂げないとほぼ100％の確率で後戻りが起こるため注意が必要です。

矯正前に知っておきたい事とは

子供の矯正治療でやらなきゃよかったと後悔しないためには、次のことを事前に正しく理解しておきましょう。

ポイント1：矯正には長い時間がかかる

子供の矯正は、歯を細かく動かしていくというよりは、骨格の発育を正常に促していくことがメインとなる治療です。そのため予定よりも治療期間が長くなってしまうことも多々ありますので、その点は正しく理解しておきましょう。また、経験の浅い歯科医師に治療を任せたり、矯正中に歯並びを悪くする習癖・習慣などがあったりすると、治療期間が長くなりやすくなる点にも注意が必要です。

ポイント2：歯医者によって技術に差がある

矯正は歯科の中でも専門性の高い分野です。とくに小児矯正は子供の体や顎の発育を見極めながら進めていく治療なので、歯医者の知識や経験、技術によって得られる結果が大きく変わります。小児矯正に対応しているからといって、どの歯医者に治療を任せても同じ結果が得られるわけではありませんので、その点はご注意ください。

ポイント3：後戻りの防止には保定が必須

歯を動かす動的治療だけで矯正を終えてしまうと、必ず後戻りが生じます。それを防止するためにはリテーナーを使った保定処置が必須であることを知っておいてください。

子供の歯列矯正に関するよくある質問

最後に、子供の歯列矯正に関するよくある質問をいくつかご紹介します。

子供の矯正が必要かどうかは自分でわかりますか？

子供の矯正の専門家でなければ、確定的な診断を下すことはできません。ですから、お子様の歯並び・かみ合わせで気になる点があれば、まずは小児矯正の先生に相談しましょう。

子供の矯正をすれば抜歯は必要なくなりますか？

抜歯の要否はケースによって変わります。ただ、小児矯正では、歯を並べるための土台である顎骨の成長を正常に促すことができるため、スペース不足が生じにくくなるのは確かです。その結果、2期治療や成人矯正で抜歯が不要となるケースも珍しくはありません。

子供の矯正をするメリットは何ですか？

子供の頃に矯正治療を受けていれば、歯や顎、顔立ちなどが健やかに発育していくことでしょう。その結果、歯並びがきれいになるだけでなく、健康的なかみ合わせや左右対称の顔貌などが手に入ります。大人の歯列矯正に伴う抜歯や外科処置なども不要となりやすいです。

まとめ

子供の歯列矯正でやらなきゃよかったと後悔する理由について解説しました。本文でも述べたように、歯列矯正でやらなきゃよかったと後悔する理由は、子供と大人でほとんどが共通しています。それは矯正治療への理解が不足していることから生じる誤解といっても間違いではありません。そもそも矯正治療というのは数年かかるものであり、保定処置を怠ると後戻りするものなのだということを理解しておくことが大切です。
もちろん、拡大床の使い方が不適切であったり、子供の発育を見誤った治療計画を立ててしまったりするなど、小児矯正ならではのトラブルもありますが、基本的には経験の豊富な歯医者に任せることで、失敗や後悔を回避できます。