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歯並びが悪くなる原因は指しゃぶり?その理由や対策法を解説
指しゃぶりは、小さな子どもの愛くるしい仕草のひとつですが、その習慣がいつまでも残っていると歯並びを悪くすることがあります。ここではそんな指しゃぶりによる悪影響やリスク、対策法などを詳しく解説します。お子様に指しゃぶりの癖があって、どうしたら良いのか迷っている方は参考にしてみてください。
指しゃぶりにはどんな影響とリスクがあるの?
指しゃぶりを続けていると、次に挙げるような影響とリスクが生じるため、十分な注意が必要です。
影響・リスク1:上顎前突(出っ歯)になる

指しゃぶりが長く続くと、上顎の前歯に圧力がかかり、前方に押し出されることがあります。これにより、上顎前突、いわゆる「出っ歯」が引き起こされることが多いです。指の位置や力の加わり方が、前歯のかみ合わせを悪化させる原因となります。
影響・リスク2:開咬(かいこう)になる
指しゃぶりによって前歯が正しくかみ合わない「開咬」が生じることがあります。これは、指が口の中に入ることで前歯と下の歯の間に隙間ができ、完全にかみ合わなくなるためです。開咬は食事や発音に影響を与えるだけでなく、口腔全体のかみ合わせのバランスを乱す原因にもなります。
影響・リスク3:上顎歯列弓が狭窄する
指しゃぶりは、上顎の歯列弓(歯の並びのアーチ)が狭くなる「上顎歯列弓の狭窄」を引き起こすことがあります。指しゃぶりによって舌の位置が低くなり、上顎歯列弓に内側からの適切な圧力が加わらなくなると同時に、指によって不適切な圧力が加わることで、自然な成長が妨げられ、歯列がV字型になります。
影響・リスク4:下顎が偏位する
長期間の指しゃぶりによって上顎の成長が遅れて歯列弓が狭窄すると、左右非対称な歯並びを引き起こすこともあります。その結果として、下顎の位置が偏位してしまうのです。
指しゃぶりが原因でこれらの問題が発生する場合、早期に対策を講じることが重要です。
指しゃぶりへの対策とは
指しゃぶりの対策法としては、以下の5つが有効です。
対策1:指しゃぶりが悪いことだと優しく説明する
まず、指しゃぶりが歯並びにどのように悪影響を及ぼすかを、お子様に分かりやすく優しく説明してあげましょう。親御さんが一方的に叱るのではなく、指しゃぶりを続けると将来的にどんな問題が生じるかを話し合うことで、本人も理解しやすくなり、自らやめる意識を持つきっかけとなります。
対策2:指しゃぶりをやめたら褒めてあげる

対策3:運動をしてストレスを軽減させる
子指しゃぶりは、お子様がストレスを感じたときに行うことが多いため、ストレスの原因を取り除くことが効果的です。特に、運動を通じてストレスを発散させることで、指しゃぶりへの依存を減らすことが期待できます。体を動かすことで、自然と指しゃぶりの頻度が減少します。
対策4:手遊びをたくさんする
手が空いていると指しゃぶりをしてしまうお子様には、手を使う遊びを増やしてみましょう。折り紙やお絵かき、ブロック遊びなど、手先を使う活動に集中することで、指しゃぶりを忘れさせることができます。これにより、無意識に指を口に入れる癖を減らすことが可能です。
対策5:スキンシップを多めに取る
お子様が安心感を求めて指しゃぶりをする場合、親御さんとのスキンシップを増やすことも有効です。抱っこや一緒に遊ぶ時間を増やすことで、精神的な安心感が得られ、指しゃぶりに頼る必要がなくなります。スキンシップはお子様にとって、ストレス軽減と安心感を与える大切な要素です。
これらの方法を組み合わせて実践し、少しずつ指しゃぶりの頻度を減らしていくことが、歯並びやかみ合わせの改善につながります
もし歯並びが悪くなったら?
指しゃぶりが原因で歯並びが悪くなった場合、早めの対処が重要です。以下に、効果的な矯正方法を2つご紹介します。
治療法1:床矯正(しょうきょうせい)

床矯正は、お子様の歯並びを自然な成長に合わせて改善する方法です。取り外しが可能な装置を使い、上顎や下顎の歯列を広げることで、かみ合わせを整えます。成長期に適した治療で、指しゃぶりによる歯列不正・不正咬合にも有効です。
治療法2:プレオルソ
プレオルソは、指しゃぶりや口呼吸といった悪習慣を改善しながら、歯並びや骨格の問題を改善する矯正装置です。プレオルソを装着することで、口腔周囲筋が正しく使えるようになり、顎の骨の発育も正常化されます。その結果、お子様の歯並び・かみ合わせも良くなっていきます。
まとめ
今回は、指しゃぶりによって歯並びが悪くなる理由や対策法などを解説しました。指しゃぶりは、前歯に不適切な圧力を加えると同時に、上顎歯列に与えるべき圧力が弱まるというデメリットがあります。それだけに指しゃぶりがいつまでも治らない場合は、親御さんからやめるように優しくアプローチすることが大切です。それでも指しゃぶりが治らない、あるいは歯並びが悪くなってしまった場合は、専門家である歯医者さんに相談しましょう。