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歯周病で歯がぐらつくのはどうして?注意点と治療法も
こんにちは。吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」です。
歯がぐらついてきたと感じたことはありませんか。何気ない食事中や歯磨きの際に、ふと歯の揺れに気づくこともあるかもしれません。特に、中高年以降になると、歯がしっかり固定されていないように感じることが増えます。
それらの歯の揺れの原因は、歯周病にあるかもしれません。歯周病は、初期には痛みなどの自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることの多い病気です。進行すると、歯茎や歯を支える骨にダメージを与え、やがて歯がぐらつき始めるのです。
この記事では、歯周病によって歯がぐらつく理由や、その際に気をつけるべきポイント、治療方法について詳しく解説します。歯のぐらつきを放置すると、最悪の場合歯を失うこともあるので、正しい知識を持ち、適切に対処することが大切です。
歯周病とは
歯周病とは、歯と歯茎の間にある歯周ポケットに細菌がたまり、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)などの組織に炎症を引き起こす病気です。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯茎が腫れたり出血したりする程度ですが、進行すると歯周炎となり歯を支える骨が溶けていきます。
歯周病は、痛みなどの強い自覚症状が出にくいため、気づいたときには重症化していることも少なくありません。
歯周病の主な原因は、歯の表面や歯茎との境目にたまった歯垢(プラーク)です。プラークには無数の細菌が含まれており、歯茎に炎症を起こすことで歯周病が始まります。やがて歯垢が硬化して歯石になると、歯ブラシでは取り除けず、歯周病の進行を助長します。
また、歯周病の進行には生活習慣も大きく関わってきます。喫煙、ストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れなどが、歯周病を悪化させる要因となります。加えて、糖尿病との関連性も深く、全身の健康と歯周病は密接に関係しています。
つまり、歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身の健康にも影響を及ぼす恐れのある重要な疾患なのです。早期発見と予防が非常に重要であり、定期的な歯科検診と日々の口腔ケアが歯周病対策の基本となります。
歯周病で歯がぐらつくのはどうして?
歯周病が進行すると、なぜ歯がぐらつくのでしょうか。その答えは、歯を支える歯周組織の破壊にあります。歯は、歯茎だけでなく、歯槽骨(しそうこつ)という骨と、歯根膜(しこんまく)という繊維状の組織によってしっかりと支えられています。
歯周病が悪化すると、歯周ポケットにたまった細菌が炎症を引き起こし、これらの支持組織が徐々に破壊されていきます。
特に問題となるのが、歯槽骨の吸収です。歯槽骨は、歯を支える土台となる存在であり、この骨が溶けると、歯は徐々に支えを失い、不安定になります。最初はわずかな揺れでも、進行とともにぐらつきが大きくなり、最終的には自然に抜け落ちる可能性もあるのです。
また、炎症によって歯茎が下がる歯肉退縮(しにくたいしゅく)も、歯のぐらつきを感じやすくする要因です。歯茎が痩せると歯の根元が露出し、見た目にも影響が出るだけでなく、さらに動揺が気になるようになります。
歯周病によるぐらつきは、自己判断では見極めが難しく、専門的な検査を受けなければ正確な状態を把握することができません。歯が揺れる感覚が少しでもある場合は、できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。
歯がぐらつく歯周病以外の原因
歯がぐらつく原因は歯周病だけではありません。実際には、さまざまな要因が歯の動揺を引き起こす可能性があります。ここでは、歯周病以外の主な原因について解説します。
外傷や事故による衝撃
歯がぐらつく原因としてまず挙げられるのが、外傷や事故による衝撃です。転倒やスポーツ中の接触、交通事故などで歯に直接強い力が加わると、歯の根元や周囲の組織がダメージを受け、ぐらつきが生じることがあります。
噛み合わせの不良
噛み合わせの不良も原因の一つです。歯並びや噛み方に問題があると、一部の歯に過度な力がかかり続け、それが積み重なることで歯を支える組織に負担がかかります。
結果として、歯が揺れたり、歯周病を併発したりするリスクが高まります。
歯ぎしりや食いしばりなどの癖
歯ぎしりや食いしばりも無視できない要因です。これらの習慣が続くと、歯に強い圧力がかかり続けるため、健康な歯でも動揺が起きることがあります。特に、就寝中の無意識な歯ぎしりは気づきにくいため、ナイトガードの使用が推奨されることもあります。
矯正治療による影響
矯正治療中の一時的な動揺も考えられます。意図的に歯を動かす過程で起こる現象であり、歯周組織に異常がなければ自然と安定していきます。
ただし、動揺が長期間続く場合は、歯科医師に見てもらいましょう。
歯がぐらつくときの注意点
歯がぐらついているとき、誤った方法で対処すると悪化させる恐れがあります。そのため、自己判断で対処せず、まずは歯科医師に相談することが大切です。
触らない
歯がぐらついていると感じたとき、まず大切なのは過度に触らないことです。気になって舌や指で何度も押したり、ぐらぐらと動かしたりすると、歯周組織や周囲の骨にさらなる負担がかかり、症状を悪化させる可能性があります。
特に、歯周病が原因の場合、既に歯を支える骨が吸収されている状態ですので、揺らすことで歯を早く失う場合があります。
硬い食べ物を避ける
次に注意したいのが、硬いものを噛むことです。ぐらつきのある歯に強い力がかかると、進行しやすくなります。せんべいやスルメなどの硬い食品は避け、歯に優しい柔らかい食事を心がけるようにしましょう。
自己判断でのケア
自己判断でのケアや民間療法は控えましょう。市販のマウスウォッシュやサプリメントだけに頼ったり、歯を押して元に戻せるといった誤った情報に基づく対応を取ったりすると、かえって症状を悪化させる恐れがあります。
歯周病で歯がぐらつくときの治療法
歯周病によって歯がぐらついている場合、その進行度によって治療方法が異なります。ここでは、歯周病の進行度ごとの主な治療法を紹介します。
軽度~中等度の歯周病の治療法
軽度から中等度であれば、歯周基本治療と呼ばれる方法で症状を改善できる可能性があります。歯周基本治療とは、主に歯垢や歯石の除去(スケーリング)、歯周ポケット内の徹底的な清掃(ルートプレーニング)などを指します。
細菌の数を減らすことで炎症を抑え、歯周組織の回復を図ります。
中度の歯周病の治療法
中度であればスプリンティング(固定処置)という方法も有効です。これは、動いている歯を隣の健康な歯と接着して固定し、揺れを抑える治療です。噛む力の分散が可能になり、歯周組織への負担を軽減させる効果が期待されます。
重度の歯周病の治療法
重度の歯周病により、歯を支える骨の大部分が失われた場合には、抜歯が必要になることもあります。失った歯を放置していると、噛み合わせのバランスが崩れ、他の歯にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、抜歯後の適切な補綴治療(ほてつちりょう)が重要です。
抜歯後の補綴治療
近年、抜歯後の選択肢として注目されているのがインプラント治療です。インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
周囲の健康な歯を削る必要がなく、天然歯に近い噛み心地と見た目を得られることから、多くの患者さまに選ばれています。
ただし、インプラントも万能ではありません。歯周病の再発防止と、インプラント周囲炎のリスクを避けるために、治療前には十分な口腔内環境の改善と、治療後の徹底したメンテナンスが不可欠です。
また、インプラントが適応しているかどうかは、骨の量や質、全身の健康状態などをもとに歯科医師が判断します。治療を成功させるためには、患者さま自身の理解と協力も重要です。
まとめ
歯がぐらつくという症状は、口腔内の異常が生じているサインの一つです。その中でも歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因とも言われており、自覚症状が少ないまま進行するのが特徴です。
歯周病が進行して歯を支えている歯槽骨が溶けると、歯がぐらつくようになります。歯のぐらつきを感じた際には、過度に触らないこと、硬いものを避けることが重要です。そして、早めに歯科医院を受診することが大切です。
歯周病は生活習慣やセルフケアとも深く関係しています。正しい方法でのブラッシングや定期検診を習慣にし、歯と全身の健康を守る意識を持つことが、健康な口腔環境を保つ第一歩です。
歯周病治療を検討されている方は、吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様を家族のように大切に思い、安心を第一に治療を提供しています。一般歯科だけでなく、矯正治療やインプラント治療などにも力を入れています。
当院のホームページはこちら、保険予約、矯正・インプラントの初診予約も受け付けております。ぜひご活用ください。