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院長コラム

インプラントを長持ちさせる秘訣!治療後のメンテナンスの重要性

インプラント治療を受けた方の中には、「治療が終わったらもう安心」と思っている方も少なくありません。しかし、インプラントも天然の歯と同じように、長持ちさせるためには治療後もセルフケアと歯科医院のメンテナンスを継続することが必要です。
今回は、インプラント治療後のメンテナンスの具体的な内容やその重要性、メンテナンス不足が引き起こすトラブルについて詳しく解説していきましょう。

インプラントのメンテナンスってなにするの?

インプラントのメンテナンスは、ご家庭での日々のセルフケアと歯科医院での定期的なチェックの組み合わせで成り立ちます。歯科医院での主なメンテナンス内容は以下の通りです。

お口の状態を確認

歯科医院でのインプラントのメンテナンスは、お口の中のチェックから始まります。虫歯や歯周病の有無のほかに、インプラント周辺の組織に異常がないか、インプラントに不具合が生じていないかなどを歯科医師または歯科衛生士が入念にチェックします。とくに、インプラントの周りに炎症が起きていないかは重要なポイントです。

レントゲン検査

インプラントがしっかりと顎の骨に定着しているかどうかを確認するために、1年に1回程度の間隔でレントゲン検査を行います。歯周病の進行や、顎の骨の異常がないかもこの検査でチェックしていきます。レントゲンの被ばく量は極めて少ないため、安心して受けてください。

クリーニング(PMTC)

日々のブラッシングでは落としきれない歯石やバイオフィルムといった汚れを、専用の器具を使って丁寧にクリーニングします。インプラントや残存している歯を清潔に保つことが、炎症や感染の予防につながります。

かみ合わせのチェック・調整

かみ合わせが悪いとインプラントに過度な負担がかかり、破損の原因となります。そのため、メンテナンスで定期的にかみ合わせを確認し、必要に応じて調整を行うことが重要です。これにより、インプラントの寿命を保つことができます。

ブラッシング指導

セルフケアも、インプラントを長く維持するうえでは非常に重要です。歯科衛生士が患者様お一人おひとりのお口の状態に合わせて、適切なブラッシング法や歯間ブラシなどの清掃道具の使い方をアドバイスします。これらのアドバイスをもとに、日頃のケアを徹底することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

メンテナンスが重要な理由

インプラントのメンテナンスが重要な理由は主に以下の4つです。

インプラントの長期使用を可能に

インプラントの10~15年後の生存率は、上顎で約90%、下顎で約94%と高い数値を示しています。しかし、これは定期的なメンテナンスを行っていることが前提です。適切なケアを続けることで、インプラントを長期間快適に使用することができます。
(参考)
歯科インプラント治療のためのQ&A 厚生労働省
//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

インプラント周囲炎を予防

インプラントのトラブルで最も多いのが「インプラント周囲炎」です。これは、インプラントの周りに炎症が起きる疾患で、天然歯の歯周病に似ています。進行すると、インプラントが早期に脱落してしまうおそれがあるため、治療後は細心の注意が必要です。定期的なメンテナンスを継続することで、この問題を未然に防ぐことができます。

インプラントの不具合を早期に発見

インプラントは人工物であるため、長く使い続けるうちにネジが緩んだり、破損したりすることがあります。これらの問題は、定期的なメンテナンスでの早期発見が可能です。歯科医院のメンテナンスは車の車検と同じく、トラブルを防ぐための重要な予防策と位置付けられます。

メーカー保証が受けられる

多くのインプラントメーカーは、保証を受けるための条件として定期的なメンテナンスを義務付けています。万が一、トラブルが発生した際に保証を受けるためにも、定期メンテナンスは欠かせません。

メンテナンスが不足しているとどうなるの?

メンテナンスを怠ると、様々なトラブルが発生する可能性があります。主な問題は以下の3つです。

インプラント周囲炎の発症

インプラントは虫歯にはなりませんが、周囲の清掃が不十分だと周辺の組織に歯周病菌が感染し、インプラント周囲炎を発症してしまいます。この炎症が進行して顎の骨にまで広がると、インプラントがグラついたり、最悪の場合は脱落したりすることもあります。

インプラントの不具合

はじめは問題がなかったインプラントも、長く使ううちに様々な不具合が生じます。具体例を挙げると、インプラントと被せ物をつなぐネジ(スクリュー)の緩み、被せ物のすり減り・欠けなどのトラブルです。これらの不具合に気づかず、放置すると大きなトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。

かみ合わせの変化

治療直後は正常だったかみ合わせも、時間が経つにつれて歯がすり減るなどして変化していきます。かみ合わせが悪いまま放置すると、インプラントに過度な力が加わり、破損のリスクが高まるため注意が必要です。また、顎の関節にも負担がかかり、顎関節症を引き起こすおそれがあります。

まとめ

インプラント治療後のメンテナンスはお口の健康を保ち、インプラントのトラブルを未然に防ぐための重要なステップです。インプラントは一度治療を受ければ終わりではなく、定期的なチェックやクリーニングを欠かさないことが長期維持の秘訣といえます。「自分のお口の健康は自分で守る」という意識を持ち、歯科医院と協力しながら日々のケアと定期メンテナンスを続けていきましょう。

監修者情報

千里山駅前歯科 院長 中川敬史

医療法人健勝会 千里山駅前歯科
歯科医師・歯学博士

中川 敬史Keishi Nakagawa / DDS PhD

■ 略歴
朝日大学歯学部卒業後、大阪大学大学院歯学研究科にて博士号取得。
大阪大学歯学部附属病院および徳島大学病院にて補綴・インプラント治療の臨床・研究に従事し、2021年に開院。

■ 専門分野
補綴治療/インプラント治療/咬合再構築/審美歯科
日本補綴歯科学会専門医と日本口腔インプラント学会専修医の両資格を有し、機能回復と外科的視点の双方から総合的に診療を行っています。

■ 資格・所属
日本補綴歯科学会 専門医/日本口腔インプラント学会 専修医/
日本小児歯科学会/日本審美歯科学会

■ 診療方針
「慎始敬終」を理念に、初診から治療後のメインテナンスまで丁寧に向き合う診療を行っています。噛み合わせや歯並びを含めた全体設計を大切にし、補綴・インプラント・矯正(小児矯正を含む)を必要に応じて組み合わせながら、長期的に安定する治療計画をご提案しています。

※本記事は院長が内容確認を行っています。

■ 患者様へのメッセージ
北摂・千里山の落ち着いた環境の中で、阪急千里線千里山駅から徒歩すぐの場所に医院を構えています。悪天候でも無理なく通える安心のもと、目の前の一人に静かに向き合い続ける事を何より大切にしています。お口は一部分だけで完結するものではありません。噛み合わせや歯並びは将来の補綴・インプラント治療の土台にもなるため、小児矯正を含めた早期の確認やご相談をおすすめしています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご来院ください。