ブログ
骨がなくても治療可能?骨造成を活用したインプラント治療
インプラント治療を希望される患者様の中で、「骨が足りないためインプラントができないのではないか」と不安に思われる方が多くいらっしゃいます。実際に、インプラント治療は顎の骨にしっかりと固定するため、十分な骨量が必要です。しかし、骨が不足している場合でも、骨造成という治療法を用いることで、多くの患者様にインプラント治療を提供できる可能性があります。当院では、骨造成という選択肢も踏まえて、患者様一人ひとりに適した治療計画をご提案しております。
顎の骨が少ないとインプラントができないってほんと?
顎の骨が少ないとインプラントが難しい理由
○インプラントの固定が不十分

インプラントは顎の骨にしっかりと埋め込まれることで、噛む力に耐えられるようになります。しかし、骨が不足していると、インプラントがしっかりと固定されず、長期的に安定しない可能性があります。過度な負担がインプラントにかかることで、最悪の場合、インプラントが脱落することも考えられます。
○骨が足りないと、適切な位置に設置できない
骨の量が不十分だと、インプラントを理想的な位置に埋め込むことができません。これにより、かみ合わせや審美性に影響を与えることがあります。
骨が少なくなる理由
○歯の喪失後の骨吸収
歯を失った後、その部分の顎の骨は次第に吸収されていきます。歯が存在することで骨は常に噛む力による刺激を受け、それに応じて強度を保ちますが、歯がないとその刺激がなくなるため、骨が徐々に減少してしまいます。
○歯周病
歯周病は歯を支える顎の骨を溶かしてしまう病気です。進行すると、骨の量が著しく減少し、インプラントを支えるだけの骨が残らなくなる場合があります。
○加齢による骨量の減少
年齢を重ねると、全身の骨密度が低下しやすくなります。これは顎の骨にも影響を与え、骨量が減少する要因の一つです。
○外傷や感染
事故などによる外傷や、歯の感染症が原因で顎の骨が失われることもあります。この場合、骨が部分的に損なわれるため、インプラント治療の前に骨を再生させる必要があります。
骨造成の必要性
上記のように、骨が少なくなってしまった場合でも「骨造成」で骨を補うことができます。骨造成は、インプラント治療が難しい患者様にも適用できるように骨を増やす治療法です。
骨造成について

骨造成は、顎の骨が不足している部位に対して、自家骨や人工骨を移植し、インプラントを埋入するために十分な骨量を確保する手術です。これは特に、上顎の骨が薄い場合や、骨吸収が進んでしまった患者様に対して行われます。
骨造成のメリット
○インプラントの適応範囲が広がる
骨造成により、骨が少ない患者様でもインプラント治療を受けられるようになります。
○審美性の向上
骨が再生されることで、インプラント周辺の歯ぐきのラインも整い、見た目が自然に仕上がります。
骨造成のデメリット
○治療期間の延長
骨が再生するまでに時間がかかるため、通常のインプラント治療よりも治療期間が長くなることがあります。
○費用が高い
骨造成は保険適用外であるため、費用が高くなります。
骨造成には種類がある
骨造成にはさまざまな方法があり、患者様の骨の状態やインプラントを埋入する部位によって、適切な手術法が選ばれます。
ソケットリフト
ソケットリフトは、上顎の骨の厚みが少し不足している場合に行われる手術です。インプラントを埋入する穴から骨を持ち上げ、その下に人工骨を埋め込むことで、インプラントが安定するスペースを確保します。ソケットリフトは骨が少し不足している場合に適しており、患者様への負担が比較的少ないのが特徴です。
サイナスリフト
サイナスリフトは、上顎洞(サイナス)の底部を持ち上げ、その下に人工骨を移植する手術です。特に上顎の奥歯部分の骨が大きく不足している場合に適用され、大規模な骨造成が可能です。ただし、手術はソケットリフトに比べて大掛かりで、回復期間も長くなることがあります。
GBR法(骨誘導再生法)
GBR法(ガイデッド・ボーン・リジェネレーション)は、自家骨や骨補填材を使用して、骨の足りない部分を補填し、それをメンブレンという特殊な膜で覆います。メンブレンは、細菌や不要な細胞の侵入を防ぎ、骨が再生するのを促す役割を果たします。これにより、インプラントを埋入してもしっかりと固定され、長期的な安定性を保てるようになります。
ソケットリフトとサイナスリフトの違い
ソケットリフトは、骨の不足が軽度の場合に行われ、手術の負担が比較的軽いです。一方、サイナスリフトは骨の不足が大きい場合に適応され、より広範囲での骨造成が可能です。
まとめ
インプラント治療を希望しているけれど骨が少ないために治療を諦めていた、という方はご相談ください。サイナスリフトやGBR法など、さまざまな治療法を用いることで、より良い治療結果を目指します。インプラント治療をお考えの方は、まずはお気軽にご連絡いただければと思います。
監修者情報

医療法人健勝会 千里山駅前歯科
歯科医師・歯学博士
中川 敬史Keishi Nakagawa / DDS PhD
■ 略歴
朝日大学歯学部卒業後、大阪大学大学院歯学研究科にて博士号取得。
大阪大学歯学部附属病院および徳島大学病院にて補綴・インプラント治療の臨床・研究に従事し、2021年に開院。
■ 専門分野
補綴治療/インプラント治療/咬合再構築/審美歯科
日本補綴歯科学会専門医と日本口腔インプラント学会専修医の両資格を有し、機能回復と外科的視点の双方から総合的に診療を行っています。
■ 資格・所属
日本補綴歯科学会 専門医/日本口腔インプラント学会 専修医/
日本小児歯科学会/日本審美歯科学会
■ 診療方針
「慎始敬終」を理念に、初診から治療後のメインテナンスまで丁寧に向き合う診療を行っています。噛み合わせや歯並びを含めた全体設計を大切にし、補綴・インプラント・矯正(小児矯正を含む)を必要に応じて組み合わせながら、長期的に安定する治療計画をご提案しています。
※本記事は院長が内容確認を行っています。
■ 患者様へのメッセージ
北摂・千里山の落ち着いた環境の中で、阪急千里線千里山駅から徒歩すぐの場所に医院を構えています。悪天候でも無理なく通える安心のもと、目の前の一人に静かに向き合い続ける事を何より大切にしています。お口は一部分だけで完結するものではありません。噛み合わせや歯並びは将来の補綴・インプラント治療の土台にもなるため、小児矯正を含めた早期の確認やご相談をおすすめしています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご来院ください。