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院長コラム

難症例の方でも!人工骨でインプラントを可能にする治療3選

顎の骨にチタン性の歯根を埋め込むインプラントですが、この手術を受けるには骨に一定の厚みがあることが必須条件です。生まれつき骨の量が少ない方や、歯周病や歯の損失、加齢によって歯がやせてしまった方は、成功率が低い上に危険性が高いため、通常はインプラントの適応外となります。
しかし、この骨を人工的に作ることのできる「骨造成」により、本来適応外の方でもインプラントを入れられることがあります。
今回はインプラント治療において骨を新たに作る、代表的な3つの方法をご紹介したいと思います。

ソケットリフトってなに?

上あごには、鼻の横にあたる部分に「上顎洞」と呼ばれる空洞があります。インプラント治療では、この上顎洞の下にある歯槽骨と呼ばれる骨に人工の歯根を埋め込んでいきますが、歯槽骨の厚みが薄いとインプラントが上顎洞に貫通しかねません。
このように、上あごのインプラント治療において、骨の厚みが不十分な場合に行われる骨造成手術の一つが「ソケットリフト」です。
ソケットリフトは、インプラントを入れる位置に器具で穴を開け、そこから上顎洞を押し上げてスペースを確保し、人工骨(骨補填剤)を足すと同時にインプラント体を埋め込んでいきます。
このように、インプラントの埋入と骨造成手術を一緒のタイミングで行うソケットリフトは、「骨に一定の厚みがある」「部分的に骨が足りない」といったケースに適応される方法です。

●メリット

  • 治療期間が比較的短く済む
    ソケットリフトは、骨の厚みを作り出すための処置とインプラント体の埋入を同時に行うため、通常のインプラント治療と比べても治療期間が大きく変動することはありません。
  • 体への負担が少ない
    外科手術は範囲が大きければ大きいほど、体への負担が大きくなります。ソケットリフトは、専用のドリルで開けた小さな穴から、全ての処置を行うことができるため、歯ぐきの切開や歯槽骨の切削が最小限で済む点が特徴です。
    傷口が小さいことから体への負担が少なく、術後の痛みや腫れもそれほど大きくはありません。
  • ●デメリット

    • 適応症例が限られる
      先ほどもお話しした通り、ソケットリフトは骨造成を行うと同時にインプラントを埋め込む方法になります。つまり、骨造成前でもインプラントの埋入に耐えることのできる、一定の骨量が必要となるのです。このことから、広範囲に骨量が不足している、骨の厚みが極端に薄い場合には適応することができません。
    • 専門的な技術が必要
      ソケットリフトは手術部位が小さく、患者様にとって負担の少ない方法ではあるものの、その分担当するドクターの高い技術力が必要です。
      明視した状態で処置を行うことができないため、技術不足の場合には上顎洞の挙上ができなかったり、粘膜を傷つけてしまったりする等のリスクが生じてしまいます。

サイナスリフトってなに?

「サイナスリフト」は、特に骨の厚みが薄く、広範囲にわたって骨が不足している方に適応される骨造成です。骨が薄いことから、ソケットリフトのように骨造成の処置と同時にインプラントの埋入はできません。そのため、サイナスリフトではまず骨造成手術をして半年ほど待ち、骨がしっかりとできてからインプラントを埋め込む手術を行います。
歯ぐきを剥離して歯槽骨を窓のように削り、露出させた上顎洞を持ち上げスペースの確保をした上で人工骨を入れるサイナスリフトは、比較的難度の高い骨造成手術です。

●メリット

  • 確実な処置が可能
    歯槽骨から間接的に上顎洞を押し上げるソケットリフトとは違い、露出させた上顎洞を明視して直接押し上げるサイナスリフトは、感覚ではなく肉眼でしっかりと確認しながら処置することができるため、確実な骨造成が可能になります。
  • ●デメリット

  • 治療期間が長くなる
    サイナスリフトは、骨造成手術と同時にインプラントを埋め込むことができません。手術で新しく作ったスペースに、十分な骨量ができるのを半年ほど待つ必要があるため、どうしても治療期間が長くなってしまいます。
  • 負担が大きい
    歯ぐきの剥離や骨を広範囲に削る手術内容から、術後は腫れや痛みが出やすく、体への負担が大きくなってしまうこともサイナスリフトのデメリットです。

GBR法ってなに?

「GBR法」は、ソケットリフトやサイナスリフトと同様に、インプラント手術において骨の厚みが不足している場合に用いられる治療法です。
GBR法では、歯ぐきを剥離して骨の厚みを足したい部位に人工骨、もしくは自家骨(ご自身の骨を粉砕したもの)を置き、メンブレンという保護膜で覆って骨の再生を促進させていきます。インプラントを埋め込むと同時に処置を行うケースと、処置後骨の再生を待ってからインプラント手術に進むケースがあり、症例によって治療期間に差が生じます。

●メリット

  • 安全なことで成功率が高まる
    骨がやせてインプラント治療が難しい方でも、GBR法を含む骨造成手術を行うことで、インプラント治療を安全に行うことができます。
  • ●デメリット

  • 手術の負担が大きい
    歯ぐきを切開・剥離し、歯槽骨を露出する必要のあるGBR法は、術後の痛みや腫れが生じやすい傾向にあります。
    特に、自家骨を使用する場合には、事前に骨を採取する手術が必要になるため、患者様の負担が大きくなってしまうことがデメリットです。

まとめ

ソケットリフト、サイナスリフト、GBR法は、いずれも人工骨を用いる骨造成手術です。骨が足りなくて治療を断られたという経験がある方でも、この骨造成を行うことでインプラントが可能になることも少なくありません。
どの方法にもメリットとデメリットがあり、骨の状態によっても適した治療法は異なります。自分にはどのような方法が適応されるのか、もっと詳しく骨造成について聞きたいという方は、お気軽に当院までご相談ください。