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院長コラム

インプラントの治療は痛い?気になる痛みや腫れについて解説します

自分の歯と同じようにかむことができ、美しく快適なインプラント。近年では広く普及し、多くの方がインプラント治療を受けていますが、中にはインプラントをしたいものの、痛みや体への負担が気がかりで一歩踏み出せずにいる、といった方も多いのではないでしょうか?
今回はそのような方のために、インプラント手術の痛みに関するお話をさせていただきたいと思います。

インプラント手術中の痛みについて

インプラントは骨に直接埋め込むという術式から、「手術中の痛みが心配」、「意識がある中で行うのは怖い」など、不安な気持ちを抱く方が多い治療です。
もちろん、何もせずにそのままインプラント手術を行えば痛みが生じますが、術前には必ず局所麻酔を使用するため、押される感覚や振動は感じるものの、実際には手術中に痛みを感じることはありません。
また、「手術中に麻酔が切れてしまうのでは?」という疑問もあるかと思いますが、インプラントの手術時間は1本あたり30分〜60分であるため、途中で麻酔が切れて痛みを感じることは滅多にありませんので、安心していただければと思います。

手術中の痛みにはどう対処しているの?

●局所麻酔

局所麻酔は、虫歯の治療や抜歯治療でも用いられている部分的な麻酔です。インプラント手術でもこの局所麻酔を使い、手術中の痛みを感じないよう痛覚を麻痺させています。
歯科治療等で麻酔をした経験のある方はお分かりかと思いますが、麻酔後は痛みを感じなくなり、意識自体は鮮明な状態です。
また、この局所麻酔を打つときには、痛みを感じにくい極細の麻酔針と、刺入する歯ぐきを麻痺させる表面麻酔を使用するため、麻酔を打つ際にも痛みは感じにくくなっています。

●静脈麻酔(静脈内鎮静法)

不安や緊張が大きい方や、手術部位が広範囲な方に適応されるのが、局所麻酔をした上で静脈に点滴を行う「静脈内鎮静法」です。点滴に含まれている鎮静剤により、ウトウトとしたリラックス状態になり、手術中の恐怖心やストレスを軽減することができます。意識はあるもののぼんやりとした状態であり、覚醒後は手術中のことを覚えていない方がほとんどです。
意識が完全になくなる全身麻酔とは異なり、比較的体への負担が少ない静脈内鎮静法ですが、手術中は呼吸や血圧を常に確認する必要があるため、医療体制や治療設備をしっかりと整えている歯科医院で行う必要があります。

インプラント手術後に注意しなければならないこと

●むやみに刺激を与えない

ぶくぶくうがいを繰り返したり、舌や手で手術部位を触ってしまったりすると、血が止まりにくいだけでなく細菌感染を起こす恐れがあるため、むやみに触って刺激を与えないようにしてください。
食事については、冷ましたお粥や汁物などの柔らかく咀嚼しやすいものを選び、手術した部位ではかまないようにしてください。特に注意が必要なのは、硬さのあるもの、熱いもの、辛いものなどの刺激が強い食品になりますので、術後は食事にも十分注意しましょう。
また、術後麻酔が残っている状態で食事をしてしまうと、やけどなどの原因にもなるため、できるだけ麻酔が切れてから食事をするようにしてください。

●処方された薬を飲む

インプラント手術後は、痛み止めや抗生物質などの薬が処方されますので、医院の指示通りに服用し、自己判断での中断はしないようにしてください。
手術後の痛みが不安な場合には、麻酔が切れる前に痛み止めを飲むことをおすすめします。

●安静にする

術後は出血や痛みを防ぐため、飲酒や運動、入浴など血流が促進される行為を控える必要があります。
翌日以降も激しい運動や過剰なアルコール摂取、熱湯のお風呂は避け、担当医の指示に従い安静に過ごしましょう。

●喫煙を避ける

タバコに含まれる有害物質には、血管を収縮させ、血流を悪くする作用があります。この現象は口の中でも起き、喫煙によって歯ぐきの血管が収縮して、血液の流れが悪化することで、術部の治癒が遅れたり、骨とインプラントの結合が阻害され予後不良となったりする可能性が高くなります。
このことから、インプラント手術前〜手術後の一定期間は、多くの医院で禁煙が推奨されています。

●お口の中を清潔に保つ

細菌が繁殖した不衛生な口腔状態だと、手術部位に細菌感染による炎症が起こってしまうことがあります。そのため、手術前から手術後は特にお口の中を清潔に保ち、ブラッシングをしっかりと行います。
しかし、インプラント手術後はいつも通りに磨いてしまうと、手術部位に傷がついて出血してしまうことがあるため、ブラシが強く当たらないように優しく丁寧に磨きましょう。
また、爽快感を売りにしている刺激が強い市販の洗口剤は、術後すぐには使用しないようにしてください。

まとめ

インプラントは痛みを排除する局所麻酔や、気持ちを落ち着かせる静脈内鎮静法によって、手術中に痛みを感じることはありません。しかし、術後は注意点を守らないと痛みだけでなく、細菌感染による炎症や出血、治癒の遅れにもつながりかねません。
インプラント治療を受ける際には、手術の前はもちろんですが、術後もしっかりと担当医の指示を守りましょう。

監修者情報

千里山駅前歯科 院長 中川敬史

医療法人健勝会 千里山駅前歯科
歯科医師・歯学博士

中川 敬史Keishi Nakagawa / DDS PhD

■ 略歴
朝日大学歯学部卒業後、大阪大学大学院歯学研究科にて博士号取得。
大阪大学歯学部附属病院および徳島大学病院にて補綴・インプラント治療の臨床・研究に従事し、2021年に開院。

■ 専門分野
補綴治療/インプラント治療/咬合再構築/審美歯科
日本補綴歯科学会専門医と日本口腔インプラント学会専修医の両資格を有し、機能回復と外科的視点の双方から総合的に診療を行っています。

■ 資格・所属
日本補綴歯科学会 専門医/日本口腔インプラント学会 専修医/
日本小児歯科学会/日本審美歯科学会

■ 診療方針
「慎始敬終」を理念に、初診から治療後のメインテナンスまで丁寧に向き合う診療を行っています。噛み合わせや歯並びを含めた全体設計を大切にし、補綴・インプラント・矯正(小児矯正を含む)を必要に応じて組み合わせながら、長期的に安定する治療計画をご提案しています。

※本記事は院長が内容確認を行っています。

■ 患者様へのメッセージ
北摂・千里山の落ち着いた環境の中で、阪急千里線千里山駅から徒歩すぐの場所に医院を構えています。悪天候でも無理なく通える安心のもと、目の前の一人に静かに向き合い続ける事を何より大切にしています。お口は一部分だけで完結するものではありません。噛み合わせや歯並びは将来の補綴・インプラント治療の土台にもなるため、小児矯正を含めた早期の確認やご相談をおすすめしています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご来院ください。