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院長コラム

歯並びの乱れが顎関節症を引き起こす?放置するリスクや治療法も

こんにちは。吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」です。

歯並びの乱れから顎関節症を発症した女性

顎関節症は、あごの関節やその周辺の筋肉に異常が生じ、痛みや音、口を開けにくいなどの症状が現れる病気です。ストレスや噛み合わせ、癖などが原因とされますが、見落とされがちなのが歯並びの乱れです。

歯並びは、噛む力の分散やあごの動きに大きく影響し、乱れがあるとあご関節に過度な負担がかかります。長期にわたる負担が、顎関節症の発症や悪化につながることもあるのです。

この記事では、歯並びと顎関節症の関係について詳しく解説していきます。

顎関節症とは

顎を痛がる女性

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に異常が起き、痛みや違和感などが生じている状態のことです。

顎関節は、耳のすぐ前にある側頭骨と下顎骨が接する部分に位置しており、あごの開閉や食べ物を噛む動作、会話など、日常の多くの動作に関わっています。

しかし、何らかの原因でこの関節や周囲の筋肉に過度な負担がかかると、痛みや不快感が生じるようになります。顎関節症の主な症状には、口を大きく開けられない、口を開閉する際に音が鳴る、顎の周囲が痛むといったものがあります。これらの症状が慢性化すると、食事が取りにくくなったり、頭痛や肩こり、耳鳴り、めまいなどの全身の不調を引き起こしたりすることもあります。

日常生活に支障をきたす前に、早めに対処することが重要です。

顎関節症の主な原因

頬杖をついてパソコンを見る女性

顎関節症は、1つの原因だけではなく複数の要因が重なって発症することが多いのが特徴です。

代表的な要因としては、歯並びの異常、歯ぎしりや食いしばりなどの癖、ストレス、悪い姿勢、そして外傷などが挙げられます。これらが複雑に関係し合い、顎関節やその周囲の筋肉に負担をかけ続けることで、さまざまな症状につながっていきます。

歯並びの異常

歯並びが乱れていると噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節に過剰な負担がかかるようになります。上下の歯が正しく接触しないことで、咀嚼のたびに顎関節が不自然な動きを強いられる状態になります。

歯列のズレが筋肉や関節全体にストレスをかけ、結果として痛みや開閉障害を引き起こす原因となるのです。

歯ぎしりや食いしばりなどの癖・姿勢

無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりなどの癖も、顎関節に大きな負担をかける要因の1つです。特に、睡眠中の歯ぎしりは自覚できないため、長期間にわたって顎の筋肉や関節を消耗させるおそれがあります。

また、猫背や頬杖などの悪い姿勢も、首や顎の筋肉のバランスを崩し、顎関節に過剰な力をかける原因となります。日常生活の中で無意識に行われるこれらの癖や姿勢は、顎関節症の引き金となることが多いため注意が必要です。

強い衝撃

交通事故やスポーツ中の接触、転倒などで顔面や顎に衝撃が加わると、顎関節や周囲の筋肉、靭帯が損傷を受けることがあります。このような外傷がきっかけとなって、顎の開閉時に異音がしたり、痛みを伴うようになったりするケースも少なくありません。

強い衝撃をうけた後、顎に違和感を覚えたら我慢せずに早期に歯科医師の診察を受け、適切な対処をとることが大切です。

顎関節症と矯正治療の関係

嚙み合わせのイメージ

歯並びと顎関節症は密接に関係しています。そのため、矯正治療によって歯の位置や噛み合わせを整えれば、顎の負担が減って顎関節症の改善に繋がることがあるのです。

ただし、矯正治療を受けたからといって、必ずしも顎関節症が改善するとは限りません。症状の原因が複雑な場合や、すでに顎関節に大きなダメージがある場合には、矯正治療だけでは十分な効果が得られないこともあります。

詳細は後述しますが、顎関節症の治療法には様々なものがあります。歯科医師の診断を受け、ご自身に合った方法で治療を進めることが大切です。

顎関節症に関係する歯並びの異常

受け口の人の口元

顎関節症の発症には、噛み合わせのずれや咀嚼時の過負荷が関わっていることもあり、それを引き起こす根本に歯並びの異常があるケースが少なくありません。以下に、顎関節症に影響を及ぼす可能性のある代表的な歯列不正について詳しく解説します。

出っ歯

出っ歯とは、上の前歯が大きく前に出ている状態を指します。この状態では噛み合わせのバランスが悪く、顎関節に負担がかかります。

さらに、出っ歯の状態では口が閉じにくく、口呼吸になりやすくなります。口呼吸が続くと、口の周囲の筋肉のバランスが崩れて、顎関節の動きに悪影響を及ぼすことがあります。

受け口

受け口は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。この噛み合わせも、顎関節に影響を与えやすい歯並びのひとつです。

本来、食べ物を噛むときには上下の歯がバランスよく接触しますが、受け口では上下の歯がずれて噛み合うため、不自然な動きで咀嚼することになり、顎関節やその周囲の筋肉に無理な力を加えます。

叢生

叢生(そうせい)とは、歯がデコボコに並び、重なり合って生えている状態を指します。これは、顎の骨と歯の大きさのバランスが取れていないことによって、歯が本来あるべき位置に収まらず、ねじれたり傾いたりして配置されることが主な原因です。

叢生があると、咀嚼時に歯が正しく噛み合わず、力が不均等に加わることで顎関節に負担がかかります。また、叢生は歯磨きがしにくく虫歯や歯周病のリスクも高くなるため、口腔全体の健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

開咬

開咬は、奥歯で噛んでも前歯が閉じずに隙間ができる噛み合わせです。前歯が噛み合わないため食べ物をしっかり噛み切ることができず、奥歯や顎関節に過剰な負担がかかります。

過蓋咬合

過蓋咬合(かがいこうごう)は、上の歯が下の前歯を大きく覆い隠すような噛み合わせの状態です。口を閉じたときに下の前歯がほとんど見えない場合は、過蓋咬合の可能性があります。

この状態では、咀嚼時に下の顎に強い負担がかかりやすく、顎の動きが制限されることがあります。また、過蓋咬合は歯ぎしりや食いしばりが起こりやすい歯並びでもあり、長期間にわたって顎関節や周囲の筋肉に過剰なストレスがかかると、顎関節症の原因となります。

顎関節症を放置するリスク

肩こりが気になる女性

顎関節症を放置すると、症状が悪化したり他の部位に影響を及ぼしたりするリスクがあるため注意が必要です。例えば、無意識に片側で噛む習慣が身につき、筋肉のバランスが崩れたり顔の左右差が目立つようになったりします。慢性的に口が開けづらい状態が続くと、会話や食事がしにくくなり、日常生活の質が低下することもあります。

また、ずれや異常がこめかみ、首、肩などに波及し、頭痛、肩こり、めまいなどの症状を引き起こすこともあります。これが睡眠障害や集中力の低下へとつながることもあり、仕事や学業にまで影響を及ぼす可能性も否定できません。

顎関節症は、初期の段階であれば生活習慣の見直しや噛み合わせの調整などによって症状の進行を防ぐことが可能です。悪化を防ぐためにも、自己判断で放置せず早めに歯科医院を受診することが大切です。

顎関節症の主な治療法

顎の診察を受ける男性

顎関節症の治療では、原因と症状の程度に合った方法が取られます。歯並びや噛み合わせの乱れが大きな要因となっている場合には、矯正治療も検討されますが、多くは保存的な治療から始まります。

ここでは、代表的な治療法をいくつかご紹介します。

噛み合わせの調整・矯正治療

噛み合わせのバランスが崩れている場合は、歯科医師による調整が必要となります。歯の高さをわずかに削る咬合調整や、被せ物の修正などによって、上下の歯の接触バランスを整えます。

また、矯正治療によって歯並びや噛み合わせを根本から改善する方法もあります。この方法では、長期的に安定した顎関節の状態を目指すことができます。

スプリント療法

スプリント療法は、スプリントと呼ばれるマウスピース型の装置を使って症状を緩和する治療法です。スプリントを使用することで噛み合わせのバランスを整え、顎への負担を減らします。

スプリントは、歯科医院で患者さま一人ひとりの歯型に合わせて作成します。また、装着により歯の摩耗や関節への負担を防ぐこともできるため、症状の進行予防にも役立ちます。

理学療法

理学療法は、顎関節や周囲の筋肉の動きを改善することを目的とした治療法です。代表的な方法には、関節や筋肉の柔軟性を高めるストレッチや、口の開閉をスムーズにするためのトレーニングなどがあります。また、超音波やマッサージなどを用いて血流を改善し、痛みや炎症を和らげる処置も行われます。

症状が軽度の場合には、こうした理学療法だけでも十分な効果が得られることがあります。

薬物療法

痛みや炎症が強い場合には、鎮痛薬や筋弛緩薬などの薬が処方されることがあります。ただし、これらの薬は一時的に症状を緩和するものであり、根本的な治療にはなりません。歯科医師の指示に従い、必要最小限の期間で使用することが大切です。

生活習慣や癖の見直し

顎関節症の発症や悪化には、日常生活における癖や習慣が深く関わっています。ストレスがたまると、寝ている間に歯ぎしりや食いしばりといった行動が現れることも珍しくありません。これらは日中には気づきにくいものの、顎関節に大きな影響を与える要因です。

治療を進めるうえでは、こうした生活の中に潜む問題点を見つけ出し、一つひとつ見直していくことも欠かせません。さらに、ストレスの解消法を見つけることも、再発予防につながります。

まとめ

顎関節症を治療して口を開けて笑えるようになった女性

顎関節症の発症には、歯並びや噛み合わせの乱れが関係していることも多く、矯正治療によって症状が改善されるケースもあります。歯列不正があると、関節や筋肉に不自然な負荷がかかり、顎の痛みや口の開閉時に音が鳴るといった症状が現れることがあるのです。

しかし、顎関節症の原因は複数あり、歯並びだけが理由とは限りません。また、すべての症例で矯正治療が有効とはいえないため、まずは歯科医師による診断を受けることが重要です。

顎に違和感や痛みがある方は、自己判断で放置せず歯科医院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

顎関節症や歯並びの治療を検討されている方は、吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、患者様を家族のように大切に思い、安心を第一に治療を提供しています。一般歯科だけでなく、矯正治療やインプラント治療などにも力を入れています。

当院のホームページはこちら保険予約矯正・インプラントの初診予約も受け付けております。ぜひご活用ください。

監修者情報

千里山駅前歯科 院長 中川敬史

医療法人健勝会 千里山駅前歯科
歯科医師・歯学博士

中川 敬史Keishi Nakagawa / DDS PhD

■ 略歴
朝日大学歯学部卒業後、大阪大学大学院歯学研究科にて博士号取得。
大阪大学歯学部附属病院および徳島大学病院にて補綴・インプラント治療の臨床・研究に従事し、2021年に開院。

■ 専門分野
補綴治療/インプラント治療/咬合再構築/審美歯科
日本補綴歯科学会専門医と日本口腔インプラント学会専修医の両資格を有し、機能回復と外科的視点の双方から総合的に診療を行っています。

■ 資格・所属
日本補綴歯科学会 専門医/日本口腔インプラント学会 専修医/
日本小児歯科学会/日本審美歯科学会

■ 診療方針
「慎始敬終」を理念に、初診から治療後のメインテナンスまで丁寧に向き合う診療を行っています。噛み合わせや歯並びを含めた全体設計を大切にし、補綴・インプラント・矯正(小児矯正を含む)を必要に応じて組み合わせながら、長期的に安定する治療計画をご提案しています。

※本記事は院長が内容確認を行っています。

■ 患者様へのメッセージ
北摂・千里山の落ち着いた環境の中で、阪急千里線千里山駅から徒歩すぐの場所に医院を構えています。悪天候でも無理なく通える安心のもと、目の前の一人に静かに向き合い続ける事を何より大切にしています。お口は一部分だけで完結するものではありません。噛み合わせや歯並びは将来の補綴・インプラント治療の土台にもなるため、小児矯正を含めた早期の確認やご相談をおすすめしています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご来院ください。