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院長コラム

歯周病で抜歯が必要になるケースとは?抜歯後の選択肢も解説!

こんにちは。吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」です。

歯周病のイメージ

歯周病は、自覚症状があまりない状態で悪化することが珍しくありません。気づいたときにはかなり進行しており、やむを得ず抜歯が検討されるケースもあります。

本記事では、歯周病がどのように進行していくのか、そして、どのような状態で抜歯が検討されるのかを解説します。歯を失った場合の主な治療法も紹介しているので「抜いた後の選択肢を知っておきたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病はどのように進行する?

歯周病が進行している様子

歯周病は、はじめのうちは自覚症状がほとんどなく、長い時間をかけて徐々に進行していきます。放置すると歯を支える骨が徐々に減っていく骨吸収が起き、最終的には自然に抜けてしまったり、抜歯する判断が必要になったりすることも珍しくありません。

歯周病は、いったん進行すると元の状態に戻すのが難しいので、早期発見と適切なケアがとても重要です。ここでは、歯周病の進み方を4つのステージに分けて解説します。

歯肉炎(初期段階)

歯肉炎は、歯周病の最も初期の状態です。歯ぐきの間にプラーク(歯垢)が溜まると、歯ぐきが赤くふくらんだり、ブラッシングの際に出血したりすることがあります。

一方で、歯肉炎の段階では、歯を支える骨にはまだ影響がありません。適切なブラッシングや専門家によるクリーニングによって、元の状態に戻すことも可能です。歯肉炎の段階できちんとケアできれば、炎症はおさまり歯ぐきの健康を取り戻せるでしょう。

軽度歯周病

歯肉炎が進むと、歯周ポケットと呼ばれるすき間が生じます。歯周ポケットには歯垢や歯石がたまりやすくなり、炎症は徐々に深い部分に広がっていきます。歯周病の進行に合わせて、歯ぐきも次第に退縮していきます。

この段階では、わずかではあるものの、歯を支える骨の吸収が始まっており、放置すると進行が加速します。目立った症状はなく自覚しにくいですが、次の段階に進ませないための大切な時期です。歯科医による処置を受けると同時に、丁寧なセルフケアを行いましょう。

中等度歯周病

中等度歯周炎では、歯周ポケットがさらに深くなり、歯を支える骨の吸収も進みます。歯ぐきの出血や腫れに加えて、口臭が強くなったり、歯が浮いたように感じたりする場面もあるでしょう。

グラつきや痛みも出やすくなり、徐々に日常生活に支障をきたすようになります。早めに医療機関を受診し、適切な処置を受ける必要があります。

重度歯周病

さらに炎症が進むと、歯を支える骨の吸収が大きく進行し大きくグラつくようになります。噛む力が弱まり、発音や口の動きにも影響が出るでしょう。日常生活に明らかな支障を感じるようになるのがこの段階です。

歯ぐきからの出血や炎症に加えて、痛みや膿が出るケースも見受けられます。ここまで進行すると歯の保存が難しくなることも多いです。痛みの軽減や今後の治療のために、抜歯を検討するケースも少なくありません。

歯周病で抜歯が必要になるケース

歯周病で抜歯が必要になるイメージ

歯周病は、早期に治療すれば歯を残せる可能性が高いです。

しかし、進行すると抜歯が避けられなくなるケースもあります。歯を支えている組織が大きく損傷していたり、周囲の健康な歯に悪影響を及ぼすおそれがある場合には、抜歯が選択肢のひとつとして考慮されます。

無理に残すよりも、抜歯を行ったほうが口腔全体の健康にとって望ましいケースもあります。ここでは、抜歯が必要と判断される代表的なケースを紹介します。

歯がグラつき、痛みで噛めない場合

歯周病が進むと、歯を支える骨が吸収されて歯がグラつき始めます。状態が悪化すると、噛むたびに痛みを感じるようになり、しっかりとものを噛めなくなります。胃腸への負担が増すだけでなく、十分な栄養が摂れなくなることも考えられます。

抜歯を行うことで、痛みや違和感が軽減されるケースは多く、生活の質(QOL)の向上にもつながります。機能の回復が難しいと判断された場合には、抜歯が治療の選択肢として検討されます。

歯を支える骨が大きく失われている場合

骨が大きく失われた状態では、歯を抜かずに残すのが難しくなり、抜歯が検討されることが多くなります。骨の量が不足していると、抜歯後に行う治療にも支障をきたすため注意が必要です。

たとえばインプラント治療では、人工歯根をしっかり支えるだけの骨が必要になります。骨が極端に減っていると、インプラントの土台を作るための処置が難しくなります。

抜歯後には歯を補うための治療が必要になりますが、骨の状態が悪化するほど対応の幅が狭まるため、適切な時期に抜歯をすることが求められます。

感染が広がり周囲の歯に悪影響を及ぼす場合

歯周病が進行すると、炎症が歯の根の深部にまで及び、膿がたまることがあります。このような状態では、強い痛みや腫れが生じるだけでなく、隣接する歯にも炎症が広がる可能性があります。

周囲への感染を防ぎ、口腔内全体の健康を守ることを目的に、抜歯が必要と判断される場合があります。歯を残すことにこだわりすぎず、全体のバランスを考慮する必要があります。

歯周病が進行したときに抜歯をするリスク

歯周病が進行したときに抜歯をするリスクイメージ

歯周病が進行して歯を抜くことになると、日常生活や口の機能にさまざまな支障が出ます。歯を失ったあとをインプラントやブリッジ、入れ歯などで補えば、こうした問題を軽減できるでしょう。

しかし、何もせずに放置すると、以下のようなリスクが伴います。

噛み合わせが悪くなり、噛む力が落ちる

歯を1本でも失うと、上下の歯の噛み合わせのバランスが崩れやすくなります。失った歯の隣や向かい側の歯が動いて傾いたり、伸びてきたりすることで、全体の噛み合わせにズレが生じるのです。

噛み合わせが乱れると、食べ物をしっかり噛むことが難しくなり、咀嚼力が低下します。その結果、消化に負担がかかるほか、顎関節に影響が出ることもあります。

周囲の歯への負担が増える

失った歯の部分をそのままにしておくと、咀嚼の負担が周囲の歯に集中するようになります。とくに隣接する歯や、噛み合わせに関わる反対側の歯には大きな力がかかり、ダメージを受けやすくなるでしょう。

負担が蓄積することで健康だった歯が傷み、さらに歯を失うリスクが高まります。

見た目や発音への影響

口を開いたときに見える位置の歯を抜いた場合、話すときや笑ったときに歯の欠損が目立ちます。歯は発音にも関係しており、とくに前歯を失うと、さ行やた行の音が出しにくくなることがあります。

見た目や話しづらさの影響で、人との交流をためらうようになるケースも少なくありません。

顎の骨がやせていく

歯が抜けたままの状態が続くと、歯を支えていた顎の骨は徐々に痩せていきます。骨吸収はさまざまな理由で起こりますが、とくに歯を失った部分では生じやすいとされています。

骨が痩せると、将来的に入れ歯が合わなくなったり、インプラントを行う際に十分な土台が確保できなくなったりと、治療の選択肢が限られてしまうおそれがあります。さらに、顎の骨の量が減ることで顔の輪郭が変わり、老けた印象を与えることもあります。

失った歯を補う治療法

失った歯を補うためのインプラントや入れ歯のイメージ

歯を失った場合、そのままにしておくと噛む力が低下したり見た目が変化したりするだけでなく、周囲の歯や骨にも悪影響を及ぼします。そのため、できるだけ早く適切な方法で補うことが大切です。

失った歯を補うための代表的な治療法は、以下のとおりです。

インプラント治療

インプラント治療は、失った歯の部分に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。顎の骨に固定するため見た目が自然で、ほかの治療法と比べてしっかりと噛めるようになります。

周囲の歯に負担をかけずに治療できるのも特徴で、機能性・審美性の両方を重視したい方に選ばれています。適切なメンテナンスを行えば、長期的に使用できるでしょう。

ブリッジ治療

ブリッジ治療は、失った歯の両隣にある健康な歯を削って土台とし、橋をかけるように人工歯を装着する方法です。固定式のため違和感が少なく、短期間で治療を終えられるのが特徴です。

ただし、土台となる歯に負担がかかるうえ、健康な歯を削る必要があるため、将来的なトラブルにつながるおそれがあります。

入れ歯(義歯)治療

入れ歯(義歯)は、失った歯の機能を補うための代表的な治療法のひとつです。手術を必要としないため、身体への負担が少ないのが特徴です。取り外しが可能で、治療費も保険適用であれば安価に抑えられます。

一方で、装着時の違和感や噛む力の低下、話しにくさを感じる場合もあります。

また、長期間使用していると歯ぐきの形が変わり、入れ歯がフィットしにくくなることもあります。合わない状態で使い続けると、口内炎や痛みの原因になります。入れ歯を作成した後も、歯科医院にて定期的にチェックしてもらいましょう。

まとめ

歯周病予防のために歯磨きを徹底する男性

歯周病は、初期は自覚症状が少なく、気づかないうちに進行する病気です。適切なケアを怠ると、やがて歯を支える骨が失われ、抜歯を余儀なくされるケースも少なくありません。

抜歯が必要になると、噛む力の低下や見た目の変化、発音への影響など、日常生活にさまざまな支障が生じます。さらに、周囲の歯や顎の骨への悪影響も避けられず、口腔内全体の健康に関わる問題へ発展するおそれもあります。

こうした事態を防ぐには、歯周病を早期に発見・治療することが最も重要です。万が一抜歯が必要となった場合でも、インプラントやブリッジ、入れ歯などの選択肢から自分に合った方法で歯を補うことで、機能や見た目の回復が期待できるでしょう。

歯周病の治療を検討されている方は、吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、患者様を家族のように大切に思い、安心を第一に治療を提供しています。一般歯科だけでなく、矯正治療やインプラント治療などにも力を入れています。

当院のホームページはこちら保険予約矯正・インプラントの初診予約も受け付けております。ぜひご活用ください。