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院長コラム

放っておくと危険!受け口の矯正治療方法

受け口はしゃくれとも言われる、出っ歯や八重歯と同じ不正咬合の1つです。見た目はもちろん、受け口は会話などの日常生活にも悪影響を及ぼすことが多いため、矯正治療が推奨されます。
今回はこの受け口の特徴や原因、治療法について解説していきたいと思います。

そもそも受け口とは

受け口は、下の歯が上の歯よりも前に出ている、いわゆる出っ歯の逆状態の歯並びをいいます。下の歯が前方に突出していることから、下顎前突、あるいは反対咬合とも呼ばれています。
主に、顎の骨自体が前に出ている「骨格性」のタイプと、顎の骨の大きさや位置は正常な「歯性」、「機能性」の3つのタイプに分けられます。
いずれの場合でも、受け口の歯並びを持つ方は、ほぼ全員と言って良いほどかみ合わせにも問題があります。なぜかというと、本来であれば奥歯同士でかみ合うはずが、下の歯並びが全体的に前に出てかみ合わせの位置がずれているからです。上下のかみ合わせにも異常があることで、顎関節症の発症等にもつながりかねません。
受け口はかみ合わせのほか、下の歯が前に出ていることから審美的なコンプレックスが生じる、発音がしにくい、唇がうまく閉じられないといった問題点が多くあります。

なぜ受け口になってしまうのか

●遺伝によるもの(先天的要因)

受け口をはじめ、歯列不正は遺伝によっても起こることがあるのをご存知でしょうか?特に、顎の大きさや位置による骨格性の受け口は、遺伝が原因で起こることが多い傾向にあります。
代表的な例は、ハプスブルク家と呼ばれるヨーロッパの有名な一族です。親族同士による婚姻が多かった、ハプスブルク家の人物たちを描いた肖像画は、代々骨格性の受け口の特徴がしっかりと描かれています。このように、骨格の特徴が遺伝することで、受け口が生じるケースも少なくありません。

●生活習慣によるもの(後天的要因)

歯は、舌や唇、頰の圧が均等にかかることで並んでいます。しかし、口呼吸や舌の癖、指しゃぶりなどの悪い習慣は、このバランスを崩してしまいます。これらの習慣を長い期間続けることで、歯並びが悪くなったり、かみ合わせが不正になったりすることがあります。つまり、遺伝だけでなく、習慣も歯並びに影響を与えているのです。
受け口を誘発しやすい癖は、舌で歯を押す「舌突出癖」と、鼻での呼吸が困難な「口呼吸」です。特に生え変わりの時期に行われていると、上の歯が内側に、下の歯が前に出やすいため、早期の改善が望まれます。

●その他

そのほかにも、生え変わりの時期に、虫歯などが原因で乳歯を早期に喪失したり、いつまでも抜けなかったりすると、永久歯の歯並びに影響が出てしまい、受け口をはじめとした歯列不正を引き起こすことがあります。
また、稀に誤った矯正治療を受けたり、顎骨の骨折など外傷を受けたりした場合でも、かみ合わせや顎の形がずれることで、受け口になってしまったというケースもあるようです。

受け口はどうやって治療する?

●お子様の場合

お子様の受け口の治療には、主に取り外し式の装置が使用されます。まだ永久歯が生えていない乳歯だけの時期に、早期の治療としてよく用いられるのは「機能的顎矯正装置」です。これは、歯並びを動かしてなおすのではなく、受け口の原因となる癖を取り除き、筋肉のバランスを整えることで歯列不正の改善を目指すための装置です。代表的な装置としては、受け口専用の「ムーシールド」が挙げられます。
また、永久歯が生えはじめた頃であれば、歯列を広げる拡大床や、上顎が後方にある場合に使用する牽引装置など、受け口の原因に応じた治療を行います。
生活習慣が原因の後天性の受け口は、早期に治療を始めることが良い結果につながることもあります。治療が必要かどうかを見極めるためにも、検診で受け口を指摘された場合には矯正医に相談しましょう。

●成人の場合

大人の場合、基本的にはワイヤー矯正や、マウスピース矯正がメインです。受け口の程度にもよりますが、歯をきれいに並べるためのスペースが不足している場合には、歯を抜く抜歯矯正を行うこともあります。
ただ、抜歯推奨の受け口で歯を抜かずに無理に並べてしまうと、下の歯に合わせて上の歯を前に出し調整するため、口元が全体的に突出した印象になることがあり、治療の選択には注意が必要です。
また、骨格性の受け口は、上記の治療方法では改善が難しいため、外科手術を併用する外科的矯正が推奨されます。外科的矯正は、外科手術で顎の大きさや位置を調整し、歯並びを矯正装置で治療する方法です。
歯列矯正は通常、保険のきかない自費診療ですが、骨格性の受け口で、顎変形症と診断を受けた場合には、指定された医療機関で保険適用の矯正治療を受けることができます。

まとめ

受け口は、見た目の問題に加え、かみ合わせ等の機能的な問題点が多いことから、治療せずにいるとトラブルの引き金になってしまうことがあります。