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院長コラム

歯周病の外科治療が必要となるケースとは?治療法と費用も

こんにちは。吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」です。

歯周病の外科治療が必要となる歯ぐき

歯周病が進行すると、歯ぐきや歯を支える骨に深刻なダメージを与え、通常の歯科治療では改善が難しくなることがあります。そうした場合に選択されるのが、歯周病の外科治療です。歯周病の外科治療は、健康な口腔環境を取り戻すための重要な手段のひとつです。

この記事では、歯周病の外科治療が必要となる具体的なケースや外科治療の種類、治療を受ける際の費用などについて解説します。

歯周病の外科治療とは

歯周病の外科治療をする歯科医師

歯周病は、初期の段階であればブラッシング指導や歯石除去などの歯周基本治療で改善しますが、中等度から重度になると通常の治療だけでは改善が期待できない場合があります。外科治療は、歯周病の進行を抑制し、歯周組織の健康を取り戻すために実施します。

歯周基本治療とは

歯周基本治療とは、歯周病の進行を抑制することを目的とした治療法です。歯周病の進行を抑制するためには、まず口腔内の環境を整える必要があり、そのために歯磨きの指導や歯石・プラークの除去などが行われます。

歯周病が初期に発見された場合、歯周基本治療としてプラークコントロールを行えば改善する可能性もあります。歯周病が中等度にまで進行し、歯周ポケットが深くなっている場合は歯周ポケット内のプラークや歯石を除去するルートプレーニングを実施します。

歯周病の外科治療が必要なケース

歯周ポケットが深いため歯周病の外科治療が必要となるケースイメージ

歯周病が進行すると、外科的な処置が必要となるケースがあります。特に、中等度から重度の歯周炎では、歯周ポケットの深さが6mm以上になることが多く、通常の歯磨きでは歯垢を除去できません。

ここでは、歯周病の外科治療が必要なケースについて解説します。

歯周ポケットが深い場合

通常のスケーリングやルートプレーニングなどの基本的な治療では、汚れや細菌が完全に除去できないことがあります。ポケットが深くなっている場合には、外科的に歯ぐきを切開して、深部の歯石や感染組織を直接目視しながら除去する治療が行われます。

歯肉や骨の異常がある場合

歯茎の厚みが少ない、または不均一であると、インプラント手術や矯正治療を行う際にリスクが高くなります。このような場合、歯肉移植や骨自家移植など、外科的な処置によって歯茎や顎の骨の形態を整える必要があります。

顎の骨の破壊が進んでいる場合

重度の歯周病では、顎の骨が大きく破壊されているケースもあります。一度吸収された骨は自然に再生しないため、外科手術で欠損部分を補う必要があります。骨の補填を行うことで、歯の安定性が向上し、歯を長く保てる可能性が高まります。

ただし、骨の再生には時間がかかるため、数回の通院が必要です。

歯周病の外科治療で行うこと

フラップ手術のイメージ

歯周病の外科治療では、通常の歯周基本治療では届かない深部の歯石や感染組織を取り除いてプラークの再付着を防ぎ、歯周ポケットを浅くして歯周病の進行を抑制します。さらに、失われた歯周組織を補い、歯の安定性を向上させる再生療法を行うケースもあります。

ここでは、代表的な外科治療であるフラップ手術と歯周組織再生療法について解説します。

フラップ手術

フラップ手術は、重度の歯周病で歯周ポケットが深くなっている場合に実施される基本的な外科処置のひとつです。この手術では、局所麻酔をしたうえで歯ぐきを大きく切開し、歯根の深部に付着した歯石や感染組織を直接目視しながら丁寧に除去します。

手術後は切開した歯ぐきを元に戻し、縫合します。これにより、歯周ポケットが浅くなって汚れが付きにくくなり、再発防止につながります。フラップ手術は単独で行われることもありますが、他の処置と併用するケースも少なくありません。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周組織の再生を促す特別な外科的処置です。この治療法では、歯周組織の損傷を修復し、歯の支持力を回復させることができます。

しかし、すべての患者様がこの治療の対象となるわけではありません。この治療を行う前に、患者様の歯周病の進行度、全身の健康状態、生活習慣などを包括的に評価し、慎重に適応を判断されます。

GTR法

GTR法は、メンブレンと呼ばれる人工的な膜を使用する治療法です。歯周ポケットの奥に付着した歯石・細菌を除去したあと、メンブレンで患部を覆って組織の再生を促します。

歯周組織は、通常であれば顎の骨より先に歯肉が回復していきます。これによって顎の骨が再生するためのスペースが奪われないよう、メンブレンを活用します。

エムドゲイン法

豚の歯乳頭から抽出したエナメル蛋白質を、歯周病によって溶け出た欠損部分に塗布し、歯茎を再生させる方法です。骨の再生には高い効果を発揮するため、抜歯を免れた症例も存在します。

リグロス法

リグロス法とは、歯周病によって欠損した歯槽骨や歯肉を再生するために用いられる治療法です。保険が適用される治療法なので、他の治療法と比べると安価に受けられることが多いでしょう。

自家骨移植

自家骨移植は、患者さま自身の骨を採取して移植する方法です。採取部位は主に上顎の奥歯の骨や下顎の骨が使われます。移植した骨に患者さま自身の骨を使用するため、拒絶反応が起きにくいというメリットがあります。

一方で、骨を採取する手術が追加で必要になるため、身体への負担が大きいというデメリットもあります。

歯周病の外科治療を受けたあとの注意事項

患部を避けて丁寧にブラッシングをするよう指導する歯科衛生士

歯周病の外科治療を受けたあとには、痛みが出たり食事に制限が生じたりすることがあります。外科治療を成功させるためにも、注意事項をしっかりと理解しておきましょう。

ここでは、歯周病の外科治療を受けた後に気を付けたい点を解説します。

術後は痛みや腫れが現れる

外科治療を受けた当日は、麻酔の効果が切れると痛みを感じる可能性があります。痛み止めが処方されるので、指示どおりに服薬をして痛みをコントロールしましょう。腫れが気になる場合は、氷などで冷やして対処してください。

なお、軽度の腫れや違和感であれば自然と治ることがほとんどです。2日以上経っても痛みや腫れが引かない場合や、痛みが悪化していく場合は、何らかの問題が起きている可能性があるため歯科医院で相談しましょう。

歯磨きを丁寧に行う必要がある

手術当日は、患部を避けて歯磨きを行いましょう。術部に溜まった汚れをそのままにすると細菌が繁殖し、感染や再発のリスクが高まり、ショックを受けるような強い出血や腫れが起こることがあります。

そのため、患部を避けて丁寧にブラッシングをしましょう。指示がある場合を除き、洗口液を使用するのも控えてください。洗口液に殺菌成分が含まれていると、治癒を妨げる可能性があるのです。

硬い食べ物は避けたほうがよい

手術を受けた後の歯は非常にデリケートです。硬いせんべいやフランスパンなどの硬い食べ物は、治癒中の歯茎にダメージを与える可能性があります。不意に口の中に入った硬い食べ物が手術跡に当たっただけでも傷口が開く恐れがあるでしょう。

外科治療後は、おかゆやスープ、豆腐、ヨーグルト 、煮込んだ野菜などの柔らかい食事を選ぶようにしましょう。

生活習慣を改善する

歯周病は生活習慣が大きく影響する疾患です。間食の回数が多い、偏食が目立つ、喫煙習慣があるなどの場合、歯周病が悪化しやすく、治療の効果も出にくい傾向があります。

外科治療を行っても、生活習慣がそのままでは症状が改善しないかもしれません。治療を成功させるためには、普段の生活習慣を見直すことも大切です。

歯周病の外科治療にかかる費用

保険適用の有無で費用が大きく異なることを説明するイメージ

歯周病の外科治療にかかる費用は、保険診療か自費診療かで大きく異なります。ここでは、それぞれの治療にかかる費用の目安について詳しく解説します。

保険診療の場合にかかる費用

歯周病の外科治療は、症状が基本的な治療で改善しない場合には、医師が必要と判断した場合は保険が適用されます。例えば、フラップ手術や歯周ポケットの清掃が該当します。自己負担の目安は3割の患者さまで1回あたり約5,000円〜1万5,000円程度です。

病院によって費用は異なりますので、事前に確認しておきましょう。

自費診療の場合にかかる費用

自費診療の場合、外科治療にかかる費用は全額自己負担となります。自由診療では、患者さまの口腔内の状況に合わせて治療法や治療範囲などを歯科医師が自由に決められるため、常に高度で最新の医療技術や設備を導入できます。

また、使用する医薬品や器具、薬品、材料の種類なども自由に決められるため、高品質なものを使用できます。患者さまに合った治療を提供できるのも、自由診療ならではの特徴です。

ただし、費用は高額になる傾向があります。術式にもよりますが、3〜5万円程度で受けられる場合もあれば、10万円ほどかかる場合もあるでしょう。

まとめ

歯周病の外科治療で歯周病が完治し健康的な日々を過ごす男性

歯周病が進行すると、歯周基本治療だけでは改善が難しくなります。歯周ポケットの深さが6mm以上になると、通常の歯磨きでは汚れを除去できなくなります。歯周病が進行した場合には、外科的手術によって歯周ポケットの深部の歯石や感染組織を除去します。

歯周組織を再生させる特殊な薬剤を使用することで、歯の支持組織となる顎の骨や歯肉の再生を促せるでしょう。

歯周病の外科治療検討されている方は、吹田市千里山東、阪急千里線「千里山駅」より徒歩30秒にある歯医者「千里山駅前歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、患者様を家族のように大切に思い、安心を第一に治療を提供しています。一般歯科だけでなく、矯正治療やインプラント治療などにも力を入れています。

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